英メディア・BBCの中国語版は5日、海外市場でその実力を見せつけている中国国営企業に対して、「中国の民間企業はなぜ世界で開花できないのか」とする評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 英メディア・BBCの中国語版は5日、海外市場でその実力を見せつけている中国国営企業に対して、「中国の民間企業はなぜ世界で開花できないのか」とする評論記事を掲載した。

 記事は、英紙フィナンシャル・タイムズのアジア地域解説委員であるDavid Piling氏の意見を紹介。同氏は日本のソニーやトヨタ、韓国のサムスン、現代といった企業が世界市場で大きなシェアを獲得する一方で、中国の民間企業はこのような状況になれないのかと疑問を呈した。

 そして、中国国内と国外で監督管理の環境に隔たりが存在すること、銀行の利率などの透明度やインターネットの監視、特許争議といった点でも中国と世界のあいだに溝があること、中国企業と中国政府との関係が不透明でリスクの心配を持たせること、ブランドの信用問題という4つの理由を挙げた。

 さらに、5つ目の「顕在化していない原因」として、中国国内市場が日本、台湾、韓国などに比べて膨大であり、国内市場だけで十分商売が成り立つことを示した。

 記事は、同氏がこれらの「ハードル」について克服不可能なものではないとし、急発展する新興市場でもハードルが大きく下がったと論じたことを紹介。また、「米国ですら、中国企業の1、2社が現地で大きく成長するのを否定する人などいくらもいない」としたほか、中国企業が世界で発展する片鱗を見せている例として、中国北車がボストン地下鉄の列車供給契約を取り付けたこと、吉利汽車がボルボを買収して5年が経つことを挙げたことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)