激戦地から愛する妻へ電話をするブラッドリー・クーパー扮するクリス・カイル/[C] 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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米軍史上最強と謳われた伝説のスナイパー、クリス・カイルの自伝をもとに描かれる真実のドラマ『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開)。本作は、あの『アバター』(09)を超えて本年度最高のオープニング成績を記録。今回、クリント・イーストウッド監督作史上、最大のヒットをとげた本作の予告編が解禁となった。

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予告編では、幼い子どもにまで銃口を向けなければならない戦争の狂気と、愛する家族の間で揺れる男の姿が映し出される。巨大な砂嵐が舞い、壮大なスケールで展開する激戦地で、愛する妻と涙をにじませながら電話をするブラッドリー・クーパーの迫真の演技は、見る者の心を鷲掴みにする。

9.11以降、終わらないイラク戦争を舞台にしているにも関わらず全米で圧倒的な支持を受け、全米興行収入はすでに約2億ドル(約235億3000万円)を突破。イーストウッド監督のアカデミー賞受賞作『ミリオンダラー・ベイビー』(04)の約1億40万ドル(約118億1000万円)と『許されざる者』(92)の約1億100万ドル(約118億8000万円)、そして『グラン・トリノ』(08)の約1億4800万ドル(174億1000万円)の興行記録を更新した。

84歳にしてイーストウッド監督作史上最大のヒット作となった本作は、戦争ジャンルの映画でありながらも、女性層が多く劇場へ足を運んでいる。主人公とその妻が織りなす家族の葛藤とエモーショナルなドラマが、多く共感を呼んでいることがわかる。

自身の集大成とも言っても過言ではない本作についてイーストウッド監督は、「これまでにも戦争を扱った映画を作ったが、本作のストーリーはクリスの功績と人生の個人的な側面がどう交わるかを描いている。戦争が1人の人物に与えるダメージが明らかになるが、家族全体に与えるプレッシャーも描かれている。私はこのストーリーを語ることが、特に意味深いものだと思ったんだよ」と本作へ込めた想いをコメント。

主演とプロデューサーを務めるブラッドリー・クーパーは、「これは従軍経験者のほとんどが乗り越えなければならない状況を描いた普遍的なストーリーなんだ。彼らは刻々と変化する緊迫した戦場にいたのに、帰国すると突然“普通の日常”に引き戻される。そこにとても心を動かされた。僕はこれが戦争映画というよりは、人物を検証している映画である点を気に入っている」と語る。クーパーは映画化に当たって、クリス・カイル本人と直接電話をしていたが、その直後2013年2月2日、自身と同じ心の病に悩む元兵士によって射殺され、その短すぎる生涯を終えている。

本作は第87回アカデミー賞で、作品賞・主演男優賞・脚色賞・録音賞・編集賞・音響編集賞の計6部門にノミネートを果たした。先日行われた米一般市民2385人を対象にしたネット調査では、本作が本年度アカデミー賞「作品賞」受賞に最もふさわしいと22%が回答。候補作の中で最も支持を得ている。

イーストウッド監督とクーパーが徹底した人物描写で描く1人の男の姿、そしてその家族の愛という、誰もが共感できる本作。男女問わずどんな世代の人にも劇場へ足を運んでもらいたい。【Movie Walker】