『マエストロ!』の松坂桃李、miwa、西田敏行を直撃!

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オーケストラをモチーフにした音楽映画はたくさんあれど、『マエストロ!』(1月31日公開)の本気度はかなりすごい!世界的な指揮者・佐渡裕やピアニストの辻井伸行など、一流の音楽家たちが参加し、音楽のトリビアもちりばめた快作に仕上がっているのだから。

【写真を見る】松坂桃李、miwa、西田敏行の演奏シーンに興奮!/[c]2015『マエストロ!』製作委員会 [c]さそうあきら/双葉社

本作で音楽への情熱を見事に体現したのが、松坂桃李、miwa、西田敏行の3人。慣れないクラシック音楽に向き合った舞台裏について話を聞いた。

原作はさそうあきらの同名人気コミック。『マエストロ!』は、謎の指揮者(西田敏行)と負け組楽団員たちが巻き起こす、笑いと涙の音楽映画だ。コンサートマスターを務める若きヴァイオリニスト、香坂真一役の松坂は、初めてヴァイオリン演奏にトライした。

「素人だと肘を動かしてしまい、真っ直ぐ弓を弾けないんです。そこを体に染み込ませるのが大変でした」。練習に練習を重ねた松坂は、鎖骨にヴァイオリニストならではのアザができたそうで「ちょっとうれしかったです」と満足気に語った。

すると西田が「わかりますよ。僕も5歳くらいからヴァイオリンをやっていたので」といつものジョークを飛ばしたかと思ったら、どうやら本当のことだった!松坂やmiwaは「ええ〜!!」と驚く。西田は「第二のクライスラーなんて言われていましたから(笑)。先生から『お指がよく動きますね』なんて言われ、調子にのっていた時期もありました。だから、松坂くんの大変さが本当によくわかるんです。オーケストラだから指の動きが揃ってないといけないし。それって至難の業ですよ」と感心する。

西田は、指揮者・天道徹三郎役を演じるにあたり、佐渡裕の指導を受けた。松坂は「すごかったですね!」と西田を絶賛。西田は佐渡について「音楽界の松岡修造さんみたいに、熱の塊みたいな人」と表現。「熱いご指導をいただきました。テクニックじゃなく、心を叩き込んでもらった感じがします。棒の振り方など、基本はありますけど、感じたまま動いていくところに到達するまでの時間がとても楽しかったです。指揮者にも個性があり、心の駆け引きがあると言われていました。あれ以来、クラシックが好きになりましたね」。

フルート奏者・橘あまね役で女優デビューを飾ったアーティストのmiwaは「初めての作品で、西田さん、松坂さんと共演させていただき、贅沢でしたね」と感激。西田は「miwaちゃんの演技を見て、いろんな意味で勉強させてもらいました。阪神淡路大震災の不幸な生い立ちを背負ったあまね役。フルートの構え方からして全部、役者だなあ〜と思いました」と賛辞を送ると、miwaは「ありがたいお言葉です」と恐縮。

miwaは「神戸弁もしゃべったことがなかったし、フルートも初めてで、いっぱいいっぱいでしたが、温かく見守ってくださる方ばかりで、時間をかけてやらせていただいた感じでした」と感謝。西田も「僕も大阪弁はいろいろと苦しみました」と告白。松坂が「(小林聖太郎)監督が関西の方ですしね」とうなずくと、西田も「ちょっとした音の外れも見逃さないんですよ」と苦笑い。

miwaがフルートを吹きながら涙を流すシーンは、見せ場のひとつだ。松坂が「ものすごい熱量でした」と言うと、西田も「緊張したと思うけど、そんなことを僕たちには微塵も感じさせずに、ちゃんと存在してくれた」と称える。miwaは「そんなふうに言っていただけるなんて!」と大喜び。さらに「私はお芝居のレッスンをきっちり踏んできたわけではないので、また、演技のレッスンなどを受けてみたいと思いました」と、女優業への意欲を見せた。

松坂桃李たち3人をはじめ、バラエティ豊かなキャストの個性が見事に共鳴し合った映画『マエストロ!』。本作は、本格的な音楽映画というだけではなく、日々を一生懸命生きる人間の背中を押してくれる人間賛歌の映画でもある。見終わった後は、音楽とドラマの余韻の両方を味わってほしい。【取材・文/山崎伸子】