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第25回:レゲンデ

 12月28日に行なわれたGI有馬記念(中山・芝2500m)で有終の美を飾って、現役生活を退いたジェンティルドンナ(牝5歳)。2012年には、牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成。その後も、2012年、2013年のGIジャパンカップ(東京・芝2400m)を連覇し、国際GIのドバイシーマクラシック(UAE・芝2410m)を制するなど、牡馬の一線級を相手に国内外で輝かしい実績を刻んできた。生涯で獲得したGIタイトルは7つ。間違いなく、競馬史に名を残す「名牝」と言える。

 そのジェンティルドンナの全弟が、デビューを控えた2歳馬の中にいる。栗東トレーニングセンター(滋賀県)の石坂正厩舎に所属する、レゲンデ(牡2歳/父ディープインパクト)だ。

 管理する石坂調教師は、姉ジェンティルドンナも手掛けていたトップトレーナー。厩舎の看板だった「名牝」と同じ血を引く若駒だけに、「レゲンデへの期待も高い」という。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「石坂調教師からは、『やはりいい馬だ』というコメントが出ていますね。素質馬の持つ独特な雰囲気を感じ取っているようで、大きな期待を持っていると思います。12月10日にゲート試験を受けたのですが、こちらもすんなり合格。その辺りからも『センスの良さを感じる』と評価していました」

 トラックマンが言うとおり、レゲンデはゲート試験を難なくクリア。そのままデビューへ向けてピッチを上げていくかと思われた。が、再び放牧に出されることになった。その理由について、先述のトラックマンが説明する。

「どうしても体質が弱いので、一度休ませることにしたようです。本当は、そのままデビューを目指して調整したかったみたいですが、馬の体調を優先したんでしょうね。あくまでも馬の体調次第ですが、石坂調教師は『長期の休養ではなく、早めにトレセンに戻す予定』と話しているので、そう遠くはない日にデビューは迎えられると思いますけど」

 本来なら、来春のGIレースに向けて、すぐに期待馬をデビューさせたい時期。そのタイミングであえて「放牧」という判断を下した背景には、同馬が抱えている体質の弱さがあったようだ。

 とはいえ、サラブレッドにとって、今は成長期。馬本位の調整をしていく中で、体がしっかりしてくる可能性もある。無理をしなかったことが、先々に大きな"成果"をもたらしてくれるかもしれない。

 第一、レゲンデは屈指の血統の持ち主で、卓越した素質を秘めていることは間違いない。じっくりと鍛錬を重ねることで、偉大な姉に続くような活躍が見込めるかもしれない。今は焦らず、世代屈指の"エリート"の動向を見守っていきたい。

河合力●文 text by Kawai Chikara