日本最大手の地図制作会社のゼンリンがこれまでに収集した国内外の古地図をデジタル化して公開しているサービスが「ZENRIN Virtual Museum」です。江戸開府以前から昭和後期までに作成されたさまざま種類の地図が約220個も公開されているとのことなので、実際に古地図を見まくってみました。

ゼンリンバーチャルミュージアム

http://www.zenrin.co.jp/zvm/

上記URLを開いたら「Collections 公開地図一覧」をクリック。

公開地図一覧のページでは「時代」と「分類」から公開されている地図を検索可能。公開されている地図の時代は「江戸開府前」から「昭和後期」まで多岐に及んでいます。

例えば、「江戸開府前 (〜1602)」をクリックして「日本図」をクリックすれば……

江戸開府前に作成された日本図が表示されます。サムネイルをクリックすると……

選択した地図が表示されるというわけ。なお、この地図はスペイン王室の地図製作者だったポルトガル人のテイセラ氏によって作成され、アブラハム・オルテリウスの1595年版「世界の舞台」に載せられたものです。

地図上でダブルクリックすればズームイン&アウトが可能。堺が「Sakay」と表示されているなど、文字がはっきり見えるのもありがたいところ。

ということで、ゼンリンバーチャルミュージアムで公開されている地図をいくつかピックアップしてみました。この地図は先に登場した「世界の舞台」に掲載されていた「アジア新図」です。日本は地図の右上に描かれています。

「BVNGO(豊後)」が本州にあったり、「Cangaxuma(鹿児島)」が島だったり、現代の地図とかけ離れています。

アーロン・アロースミンによって1817年の江戸期に作成された日本図。かなり現在のものに近くなっていますが、山口県がムチャクチャ細くなっているなど、まだまだ微妙に違うところがあります。

1901年の明治時代に作られた大阪市図。

ズームして見ていると大阪城を発見しました。

明治時代からは「道中図・旅行案内図・観光案内図」というカテゴリが分類に追加され、下記は「相州湯河原温泉」のお土産用地図です。

地図の左下には値段が「五銭」と記されています。

1913年に作成された函館市街全図。

日米和親条約が結ばれた1854年以降、当時の函館は国際都市として発展しているところで、地図には「HAKODATE DOCK」といったローマ字表記が見られます。

1936年にドイツのベルリンで開催されたベルリンオリンピックの案内図。

番号が振られているオレンジ色の点は競技場や施設を示していると思われます。

昭和前期から中期までは、戦争・戦況・戦災などを示す「戦争関連図」が分類に追加。

「戦災焼失区域表示 帝都近傍図(35区制)」は戦災で焼失した区域を地図上に表わしたもので、当時の東京の現状が伝わってきます。

グレイが「疎開区域」を、赤が「戦災消失区域」を表わしているとのこと。

荒川以東のほとんどは焼失区域。

1955年に作られた「都電案内(東京附近交通図入)」

地図の左下には、始発駅や終着駅など運転系統案内が表示されています。

当時の都電最大のターミナルは、10の路線が行き交っていた神田の須田町でした。

関越自動車道や国道353号が開通していない1967年に作成された「ニッチドライブガイド? 赤城・榛名」は、赤城山・伊香保温泉/榛名湖ルートなど6つのコースを紹介したドライブマップ。

こちらは1970年に作られた外国人観光客向けの地図「GUIDE OF TOKYO」

観光地には説明が記された吹き出しが描かれています。

ゼンリンバーチャルミュージアムで公開されている地図を見ると、昔の日本を伺い知ることができ、知らない間に時間が過ぎていること間違いなしです。もっと地図を見たい人は福岡県北九州市にある「ゼンリン地図の資料館」を訪れてみるといいかもしれません。