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第21回:レーヴミストラル

 来年の日本ダービー(東京・芝2400m)を目指して、続々とデビューする良血馬たち。その中でも、とりわけ注目度の高い一頭が、デビューを間近に控えている。栗東トレーニングセンター(滋賀県)の松田博資厩舎に所属する、レーヴミストラル(牡2歳/父キングカメハメハ)だ。

 レーヴミストラルが期待される理由は、兄姉が軒並み活躍しているからだ。2008年生まれのレーヴディソール(牝/父アグネスタキオン)は、デビューから3戦全勝で2010年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を快勝。その後、桜花賞トライアルのGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)では、2着に4馬身差をつけて圧勝した。

 また、2006年生まれのアプレザンレーヴ(牡/父シンボリクリスエス)は、2009年にGII青葉賞(東京・芝2400m)を勝利。続く日本ダービーでは、4番人気で5着と健闘した。

 兄姉の活躍はそれだけにとどまらない。2005年生まれのレーヴダムール(牝/父ファルブラヴ)は、2007年の阪神ジュベナイルフィリーズで2着。レーヴミストラルのひとつ上の姉レーヴデトワール(牝3歳/父ゼンノロブロイ)も、今年4月のGI桜花賞(阪神・芝1600m)で5着と善戦。9月に行なわれたオープンの紫苑S(新潟・芝2000m)では、のちの秋華賞馬ショウナンパンドラ(牝3歳)を退けている。

 兄姉がこれほどの実績を残していれば、弟であるレーヴミストラルが注目されるのも当然だろう。この血統を数多く手がけてきた松田調教師も、やはりこの馬に対する思いは強いようだ。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「有力馬が多数そろう松田厩舎にあって、松田調教師が『馬体から感じる素質は、ウチの中でこの馬が一番じゃないか』と言っています。まだ少し緩さがあるので、『活躍できるかはこれからの成長次第』とのことですが、調教でのフットワークの軽さなどを見ると、やはり期待できそうですね」

 とにかく安定感抜群の一族だけに、松田調教師もその能力は信頼しているよう。とはいえ、この血統には大きな気がかりもある。それが「体質の弱さ」だ。

 先ほど紹介した兄姉のほとんどは、早いうちに病気やケガをして、その後の出世を断たれてしまっている。例えば、レーヴディソールとアプレザンレーヴは、脚部の負傷によって早々に引退へと追い込まれた。レーヴダムールと2007年生まれのレーヴドリアン(牡/父スペシャルウィーク)に至っては、3歳の若さで死亡するという悲劇に見舞われている。

 レーヴミストラルにも同様の心配がつきまとうが、前述のトラックマンは、「現状では、体質面について、陣営は過度に不安視していないようです」という。

「ひとつ上の姉レーヴデトワールは、この一族の中でもかなり丈夫なタイプで、コンスタントにレースを走っています。松田調教師によれば、『レーヴミストラルは、レーヴデトワールに似てしっかりしている』とのこと。となれば、ある程度は順調にレースを使えるかもしれません」

 レーヴミストラルのデビュー戦は、順調なら、12月6日(土)の2歳新馬(阪神・芝2000m)になりそう。屈指の良血馬は、はたしてどんな走りを見せるか。その日が来るのが待ち遠しい。

河合力●文 text by Kawai Chikara