スマホの天敵は「寒い冬」、バッテリー劣化やSIM破損の危険も?

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気象庁の長期予報(冬の天候の予報)によると、今年の冬は「寒い冬」となるそうだ。意外に知られていないが、冬はスマホにも厳しい季節なのだ。スマホの天敵は夏の暑さといわれているが、冬の寒さや乾燥は夏に劣らずスマホにトラブルをもたらすのである。

●SIMカードが破損?意外に知らない静電気の怖さ
冬ならではの現象もスマホの天敵となる。それが静電気だ。
静電気は乾燥する季節に多く発生する現象だ。冬にドアノブを触って「ビリッ」とくる、あれだ。

冬は、乾燥した気候や厚着となる服装により、静電気は多く発生して体内に蓄積される。
人に帯電する静電気は最大約40,000ボルトにもなると言われている。ちなみに、人が痛みを感じる静電気は約3,000ボルトと言われており、体内に帯電する静電気が意外にも大きいことがわかるだろう。

静電気が体内に帯電した際に危険なのが、SIMカードやSDカードの扱いだ。最近は、SIMフリースマホも増えているため、SIMカードに触れる機会も多くなってきた。SIMカードなどの交換の前には、金属に触れて体内の誠意電を逃がしておかないと、最悪SIMカードやSDカードを破損することもあるからだ。

●大容量なのに、すぐに電池切れ?寒さは充電にも影響する?
今冬の人気スマホ、ドコモのソニー Xperia Z3 SO-01Gは、バッテリー容量3100mAh。連続待受時間はLTE約640時間、連続通話時間は約1080分と電池持ちが良いことも売りだ。
Xperiaだけでなく、最近のスマホは大容量バッテリーと省電力機能により、長時間の利用ができるのが当たり前となっている。

しかし、それは常温でのことだ。気温が下がる冬は、電池性能を十分に発揮できなくなる可能性について意外に知られていない。スマホで採用されているリチウムイオン充電池は、温度が低下すると電池の電圧降下が早く、動作するのに必要な電圧(カットオフ電圧)以下に通常よりも早い段階で達してしまうことから、使える時間が短くなることがあるようだ。

また昨年、アメリカや中国で、「連日のマイナス気温によりiPhoneが充電できない事例が多発」というニュースが流れた。同じく日本でもSNSやAppleのサポートコミュニティーで「寒さでiPhoneが充電できない」、「充電残量増えない」との報告もあった。寒冷地でなくても、スマホの充電などに影響がでるケースはある。

●都会でも起きる結露による水濡れに要注意
寒くて性能が低下したのなら温めればいい、というのは間違ってはいないが、100%正解でもない。急激に温度変化は、スマホに別の問題も引き起こすからだ。

それが結露だ。
室内の温度と外気の温度の差が大きい場合、空気中の水蒸気が水に変わるのが「結露」だ。冬の屋内の窓などに水滴が付き、室内が濡れる現象だ。

この結露は、スマホやほかの電子機器の内部でもおこる現象である。結露で問題なのは、外部からの水の侵入を防ぐ防水機能だけでは防げないことだ。急激にスマホ本体を温めると内部で結露が発生してしまうケースがあるので、十分に注意が必要だ。

●冬のスマホの持ち運びの注意点
冬の屋外移動では、スマホはコートの内ポケットやバッグの中などに入れて本体を極端に冷やさないようにしよう。また、バッグやポケットなどでは、寒さ対策とは逆の注意が必要なこともある。それが、冬に利用する人が多い「使い捨てカイロ」だ。
実は、使い捨てカイロの最高温度は約70度。スマホにとって、この温度は高すぎるのだ。カバンの中などで直接スマホに触れて、高温になった場合、バッテリーや回路などを痛めることにもなるので、直接触れないように注意しよう。

Appleサポートコミュニティー「寒くて充電ができない」


甲斐寿憲