「BIGBANG OFFICIAL WEBSITE」より

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 今年も流行語大賞のノミネートが発表された。『アナと雪の女王』の「♪ありの〜ままの〜」や、日本エレキテル連合の「ダメよ〜ダメダメ」などは納得いくものの、「壁ドン」なんて流行ってたか? 情報バラエティ番組で「え〜、壁ドンとはですね」的な絵ネタ扱いのためじゃないの?

 さらに気になったのが「塩対応」である。元々はAKB48のぱるること島崎遥香のファンに対する対応の悪さを主に指していたようだが、そのぱるる越えの超塩対応!……と話題になったのがK-POPアイドルグループ・BIGBANGの釜山でのファンミーティング。週刊誌報道で、そのグダグダさがレポートされたこともあった。とはいえ、ぱるるにせよBIGBANGにせよ、塩対応なんぞいまさら言われなくともだし、「なんで今年の流行語に?」という気がする。

BIGBANGの塩対応に日本人ファンは「金返せ」コール

 ともかく、BIGBANGのファンミーティングでは日本から参加した1200人のファンから「金返せコール」が起きたほどというのだから、現場のしょっぱさは相当なものだったのだろう(ちなみに、日本からの参加費用は2泊3日で約13万円だったという)。

 問題のファンミーティングでは、「スケジュールの都合」という理由で予定されていたハイタッチをメンバーが急きょ拒否したことに始まる。ファンの悲鳴があがる中、参加ツアーを主催した日本の旅行会社側がBIGBANG側に土下座してどうにかハイタッチ会は実現した。しかし、メンバーはノーメイク&(ダサい)私服で無表情のままで、会場は盛り上がるどころかシーンとしていてって……という悲惨なものだったらしい。その状況はシュールすぎるしコワい。

 フライデーの記事やファンのブログを読むと、「コレ、当日のイベント内容やスケジュールをメンバーは知らされていなかったのでは?」とも思えるので、一方的に「メンバーの態度が悪い」と決めつけるのも違いそうだが……。

 実際、韓国の芸能界は“自称関係者”だらけで、日本のメディアがその“関係者”を通して「取材や企画にOKが出た!」と話を進めていたら、現場ではその人「誰ソレ?」状態で、実は全然話は通っていなかった--という話はかなり聞く。また、「その関係者が本当でも偽物でも、共通しているのはとにかくカネをボッたくろうとするところ」とまで言われていて、韓国芸能界は昭和のヤ●ザか! というアナーキーな状態らしい。

ケンチョナヨ精神と韓国クオリティが原因

 韓国では、アイドルファンは基本的にティーンエイジャーが中心で、移り気だし、カネもないので有料のファンクラブ自体がない。そして、ファンミーティングに高いチケット代を払うという感覚もないので、高額なファンミーティングは日本人向けのかなり“おいしい”商売なのだ。

 高額であろうと、(割と)近い距離でメンバーと一緒になれるというのは日本人ファンにとっては嬉しいイベントなので、いまだに「ぼったくり」といわれようとも盛況なのは確か。しかし、ここまで対応がヒドいと、むしろファンにとっては「愛が試されているの!?」的なよりドMな熱心なファンになるのか、「アタシ、単なるATMなの!?」と、ファン離れに拍車がかかるか、どちらかだろう。

 とにかく、日本のイベンター主催とは違ってキチンとしてないということだけは事実。それが韓国クオリティってのも悲しいが、なんせ全てにおいて行き当たりばったりなので、「握手がハイタッチに変更」「いきなりのシークレットイベントなのでメンバーとハグできた」など、ファンにとってはいい方向に変わることもたまにあるので、一概にダメとは言えないファン心理の悲しさよ(笑)。

 ただ、ネガキャンとまでは言わないが、フライデーのような記事が出るということはファンが実際がっかりしたことの表れだし(実際ひどい対応だったのだし)、一般の人にK-POP人気の終わりを印象づけたことも確かだろう。

 しかし、日本ではK-POPのCDも(いまだ)売れていて、高額でもコンサートに足を運ぶファンは多い。韓国にとって、これだけ外貨が稼げる国もないと思うのだが……。これは反日感情も入り乱れるアンビバレンツさのなせる業か、すぐに調子に乗るお国柄のせいなのか……。基本的には韓国の場合、何もかもが「ケンチャナヨ(大丈夫)!」精神だからなのだろうと個人的には思うのだった。 

(取材・文/ヨコヤマユー子)