相対的に高い利回りと安定した値動きが魅力のバンクローン

日米欧において超低金利政策が継続され、主要国の国債利回りは過去と比較しても非常に低い水準となっています。このような市場環境の中、少しでも高く、安定的なインカム収益への需要は高く、国債に比べてより高い利回りの獲得が期待されるハイイールド債券やバンクローンへの投資資金の流入が見られます。なかでも、バンクローンは、相対的に安定した値動きと高い利回りを兼ね備えた資産であると言え、注目が高まっています。
バンクローンは、一般に、相対的に信用格付が低い企業などに対する貸付債権であり、信用リスクが高い分、その見返りとして利回りが高くなる傾向にあります。また、バンクローンは、一般に短期金利に連動する変動金利が採用されており、金利上昇時にクーポンが上昇して価格変動が小さくなる特性があるほか、担保付であり、ハイイールド債券などの無担保の社債と比べて、デフォルト(債務不履行)時の元本回収率が高くなっています。このため、バンクローンの価格は、景気動向、企業の信用力の変化、投資家のリスク回避姿勢などに左右されるものの、比較的安定した値動きとなる傾向があります。
近年、相対的に高い利回りと、米国の景気回復基調や企業の財務内容の改善などを背景に、バンクローン市場に投資資金が流入し、価格は堅調に推移しました。しかしながら、2014年7月以降は、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が、ハイイールド債券やバンクローンなど一部の市場にバブルの兆候が見られると警告したことや、ウクライナなどの地政学リスクの高まりなどから、バンクローンの価格は下落傾向となりました。ただし、この間のバンクローンの価格は、その資産特性から、ハイイールド債券と比較して安定した推移となりました。
足元のバンクローン市場では、若干の調整局面が見られましたが、米国の景気回復に伴ない、引き続き、企業の信用力改善やデフォルト率の低位安定が見込まれることに変わりありません。加えて、今後、米国で利上げが予想される中、一般の債券と比較して金利上昇の影響を受けにくい特性を有するインカム資産として、バンクローンへの注目がさらに高まると考えられます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)
(2014年11月21日 日興アセットマネジメント作成)
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(日興アセットマネジメント)