河南省の鶴壁供電公司は10日までに、同公司朝歌供電所の楊樹森所長を解任したと発表した。楊所長及び同供電所職員5人は2日、カラオケ店で遊んだ際、店員とトラブルになった。その後、腹いせに電力供給をストップさせたため、299軒(工場などを含む可能性もあり)で停電が発生した。楊所長を含む6人はカラオケ店で酒も飲んでいたという。中国新聞社などが報じた。

 中国では、発電会社と送電会社が分離している。送電会社は地方ごとに分社化している。同問題について、最上位の国家電網公司とその下の河南電網公司、同省鶴壁市への電力供給を担当する鶴壁供電公司が調査した。

 問題を起こした6人のうち、朝歌供電所の職員である王海笑技術員が残りの5人を招待して、カラオケ店に行った。6人は同店店員とトラブルになった。6人は酒を飲んでいた。その後、王技術員が腹いせに、送電を遮断した。

 送電会社側の調査で、現地では2日に、「広い範囲における一時的な停電」が発生していたことが確認された。ただし、電力関係者によると、朝歌供電所職員による「腹いせのため」の停電以外に、「近隣地域で、近い時間帯」に電力施設の点検のための停電も発生していた。故意の送電遮断による停電の被害を受けたのは299軒だが、「誤解をしている市民もいるようだ」という。

 送電会社側は楊樹森所長を解任した。王海笑技術員については、「在職のまま2年間観察」などとした。王技術員は、行政処罰の1種である行政拘留により、身柄を拘束されることになった。

 中国社科院で法学を専門とする陳春劉教授は、6人の行為によって家電の故障、工場機械の故障、交通事故などが発生して被害を受けた場合には、6人に対して個人としての賠償を請求することができると説明した。(編集担当:如月隼人)