中国の大都市・上海は不動産バブルとは無縁なのか? [橘玲の世界投資見聞録]

上海の知人に中国の景気を訊くと、「日本ではみんな悲観的だけど、こっちの雰囲気はそれほどでもないよ」という答えが返ってくる。
大都市・上海には不動産バブルは無縁なのだろうか。今回は上海の鬼城を探してみた。
上海に忽然と現れるロンドン
最初に訪れたのは、上海の西南に位置する松江区にあるテムズタウン。都心から30キロほど離れていて、地下鉄もまだ延伸されていない住宅街のなかに、忽然とロンドンが現われる。
この街に足を踏み入れたひとは、すぐに一種異様な雰囲気に気がつくだろう。そこらじゅうにウエディングドレスとタキシード姿のカップルが溢れているのだ。
結婚写真の人気スポットとなったテムズタウンだが、建物の中に入ると印象はがらりと変わる。下の建物は本来はショッピングセンターのはずだが、ご覧のようにゴースト化しており、入居している店舗はひとつもない。