静電気防止スプレーの仕組みは?「アルコールに溶かした界面活性剤」

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乾燥しやすい冬時期は静電気の被害に悩まされる人も多いはず。それを防止するためのスプレーも売られていますが、一体どういった仕組みなのかちょっと気になってしまいますよね。そこで今回は、静電気防止スプレーの謎に迫ってみました。

■そもそも静電気とは何か

私たちが静電気と呼んでいる現象は、物体に電荷が蓄えられた状態のときに、別の物体が摩擦することで火花放電が起きることをいいます。電圧が高くなるほど火花放電が起きやすく、空気が湿っているときほど静電気は逃げやすくなります。

帯電している物体はホコリやちりを引きつけるため、火花放電を防ぐためにもこまめに掃除をするのがオススメ。特に電子機器は静電気に弱いため、パソコンなどは扱いに注意する必要があります。また、私たちに身近な衣類では、ポリエステルやアクリルなどの合成繊維に静電気が起きやすいですが、水分が減少している状態であればウールや絹でも起きる可能性があります。

場合によっては、人間が触れることでヤケドなどの被害が出ることも。

■スプレーで水分を付着し電気抵抗を下げる

静電気除去スプレーの中には、アルコールに溶かした界面活性剤が入っています。これには水とくっつきやすい成分が含まれており、スプレーを噴射することでアルコールはすぐに蒸発し、界面活性剤だけがふきつけた部分に残ることになります。

水は電気を通しやすいですから、ふきつけた素材となじむことで電気抵抗が下がり、静電気は湿気を伝わって大気中に逃げていくのです。

■静電気除去スプレーと同じ仕組みを持つものも

界面活性剤は洗剤などのせっけんやトリートメントなどにも使われているので、これらを薄めてスプレー代わりにすることもできます。また、空気中の水分を増やすという意味では、加湿器も有効。それ以外にもさまざまな静電気除去グッズが売られていますから、自分にあったものを使うと良いでしょう。

エアコンを使う冬場の室内などは、特に空気が乾燥して静電気が起きやすくなります。仕事場でも家庭でも快適な環境を保てるように、ぜひ静電気除去グッズを常備してみてはいかがでしょうか。