睡眠時間、足りてますか?

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日本人の労働時間は、世界的に見てもトップクラスで長いと言われ続けている。その分、他国と比較して生活は不規則に、睡眠時間も短くなりがちの人が多いようだ。

こうしたイメージを裏付けるように、世界45都市の平均睡眠時間を比べたところ、東京が「世界で1番短い」(約5時間45分)という結果も出ている。「理想の睡眠時間」をめぐっては諸説あるなか、この「5時間45分」は、「短い」のか、それとも「意外と長い」のか。

「5時間なんて寝てるほう」との声も

睡眠や運動、食事パターンなどのライフログを蓄積・分析するリストバンド型端末「UP」「UP24」を販売している米ジョウボーンは、世界45都市のユーザー数十万人のデータから分析した生活パターンを公表した(2014年8月15日)。

それによると、居住者の1日の平均睡眠時間が最も長かったのはオーストラリアのメルボルンで6時間58分、最も短かったのは東京で5時間44分と、1時間以上の開きがあることがわかった。

この結果に対してネットでは、「唖然とした」「いやこれ社畜東京人の結果でしょ・・・」と驚いている人もいるようだが、「5時間44分って寝てるじゃん」「あー5時間も寝られるのはいいなぁ・・・」と、平均よりかなり短い睡眠時間になってしまっていることが読み取れるような書き込みも少なくない。

「良質な短時間睡眠」紹介のコラムも多数

一般的に通勤に時間がかかる東京の人に限らず、日本人の平均睡眠時間は長くはないようで、ネットでは「短時間で良質な睡眠を得る方法」といったテーマのコラムや記事が、度々公開されている。

睡眠の専門医である坪田聡氏は、All Aboutに「『睡眠日誌』で良質な短時間睡眠を実現!」(2009年7月更新)というコラムを寄稿している。

1〜2週間、「寝床に入った時刻」「実際に寝ついた時刻」「目が覚めた時刻」「寝床を離れた時刻」を記録して平均睡眠時間を算出し、自分にとって本当に必要な睡眠時間を知る。その上で、「寝床にいる時間」との差を縮めることで、睡眠の効率を高めることができるのだという。単純な「睡眠時間」ではなく、「時間×質」が重要だ、と指摘している。

Yahoo!ヘルスケアの健康ポータルサイト「健康ダイエット」では、「短時間でも『良質な睡眠』をとるために必要な栄養素4種」(2014年5月配信)という記事で、「質のいい睡眠をとるにはセロトニンという神経を落ちつける働きがある神経伝達物質を増やすべき」として、「トリプトファン」「ビタミンB6」「ナイアシン」「マグネシウム」を積極的に摂取することを推奨している。

短時間で質の高い睡眠をとることは可能、ということのようだが、「成人の理想の睡眠時間は7時間前後」との指摘も耳にする。筆者には、後者の方が魅力的に響くのだが・・・(MM)