吉田大八監督(写真は観客賞授賞式で撮影)

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第27回東京国際映画祭が10月31日、メイン会場となったTOHOシネマズ六本木ヒルズで各賞を発表し、閉幕した。日本映画として唯一、コンペティション部門に出品された「紙の月」が最優秀女優賞と観客賞を受賞。2冠を達成した吉田大八監督が、受賞者・審査員会見に出席し「宮沢さんは受賞に驚いた様子で、緊張していたが、彼女にとって大きな喜びだったはず。女優・宮沢りえの映画だった、と言うと語弊もあるが、監督としても女優賞はすごく欲しかった」と喜びを語った。

また、観客賞受賞については「シンプルに共感しやすい内容ではないので、観客の皆さんに気に入ってもらえたのは、すごく励みになりました。総合的にやはり、宮沢さんをはじめ、俳優陣のパフォーマンスを評価していただいた」と胸を張った。宮沢が年下の不倫相手のために横領を繰り返す女性銀行員の転落を演じ、7年ぶりに映画主演。当初、吉田監督とともに会見を行う予定だったが、スケジュールの都合で出席を取りやめた。

最高賞にあたる東京グランプリを受賞したのは、米仏合作映画「神様なんかくそくらえ」。メガホンをとるジョシュア・サフディ&ベニー・サフディの兄弟は、最優秀監督賞も受賞し、今年の映画祭の主役となった。主演女優アリエル・ホームズの実体験をもとに、ドラッグにおぼれるニューヨークの若者をビビッドに活写し、「生きること、生き延びることを描いた。暗闇に居続けると、目が慣れてしまうもの。ダークな映画に見えたかもしれないが、僕らにとっては特別な風景じゃない」(ジョシュア)、「この映画のために、すべてを犠牲にした。それくらい集中しなければ、完成する日は来なかったはず」(ベニー)と話していた。

会見には審査委員長のジェームズ・ガン監督をはじめ、9日間にわたり審査員を務めたイ・ジェハン監督、ロバート・ルケティック監督、エリック・クー監督、デビー・マクウィリアムズ(キャスティング・ディレクター)、品川ヒロシ監督が出席した。

審査員を代表し、ガン監督は「審査を通して、すばらしい経験をした。もちろん、意見が割れることはあったが、議論を重ねることで、結果的には満場一致の結果となった」と述懐。「コンペ部門の作品に共通したのは、誰かを愛したい、誰かに愛されたいという気持ち。なかでも『神様なんかくそくらえ』は最もインスピレーションを刺激され、映像、語り口、演技のバランスがいちばん良かった」と総括した。

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