ラウィット・ハンステンとリー・チャータメーティクン監督

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タイ映画「コンクリートの雲」が10月24日、東京・六本木ヒルズで開催中の第27回東京国際映画祭のCROSSCUT ASIA部門で公式上映され、リー・チャータメーティクン監督と出演のラウィット・ハンステンがティーチインに出席した。

「ブンミおじさんの森」のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が製作を担当し、アピチャッポン監督作で編集技師を務めてきたリーが監督デビューを果たした恋愛ドラマ。アジア金融危機の最中にある1997年、ニューヨークで金融マンとして働くマット(アナンダ・エバリンハム)は、父親の訃報を受けてバンコクへ帰郷し、高校時代の女友だちサーイ(ジェーンスダー・パーントー)と再会する。経済状況の行き詰まりにより変化していくカップルの様子を、リー監督自身の経験も反映して描いた。

観客から「約20年前の出来事を現代で描く意味は」と問われると、リー監督は「愛の問題を絡めて、人生の転換期を描きたかったのです」と説明。97年以降は国家自体の転換期でもあったといい、「経済面、社会面、政治面でも大きな変化があった。その当時の30代の人々は、バブル経済と崩壊を経験し、あの時の自分の判断は正しかったのかと悩んでいる。“失ったものは取り戻せるのか”というテーマもあり、その2つを取り入れて映画を作りました」と明かした。

また、リーは監督として、ミュージシャンでもあるハンステンは俳優として、それぞれ映画初挑戦のフレッシュコンビ。リー監督が「監督業も楽しいので、編集との二束のわらじを履いています」が語れば、一方のハンステンも「音楽も芝居も楽しい! 初めて両方楽しいなと思いました」と負けていなかった。

第27回東京国際映画祭は、31日まで。

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