タブレット国内シェアが落ちつづけるiPadはオワコンにむかっている?数字に惑わされないiPadの魅力と成長

写真拡大 (全2枚)

10月24日(金)より国内発売が予定されている新型iPad「iPad Air 2」および「iPad mini 3」。どちらも薄型かつ高精細なディスプレイを搭載し、指紋認証システム「Touch ID」をサポートするなど、まさに板状の簡易パソコン(タブレット)の正常進化をしていると思われる。

しかしながら、かつてはiPad独壇場であったタブレット市場も、2014年現在ではWindowsタブレット、Androidタブレットも流通し、今やタブレット市場は、三すくみの三国志状態と言っても過言ではない。

PCそのものとして使うことのできるWindowsタブレット。低価格モデルやハイエンドモデル、SIMフリー、など機能などバリエーション豊富なAndroidタブレット。ライバルの攻勢のなか、タブレットとしてはやや高額な製品のみとなるiPadはこのままシェアを落とし続けるのだろうか。

●国内を牽引してきたiPadはシェアを落としている
ここである事実に目をつけてみよう。
ICT総研が発表しているタブレットの国内出荷台数をもとにシェアのグラフを作成してみた。


※上期=4月〜9月、下期=10月〜翌年3月
※縦軸はシェア(%)
※出典:ICT総研


いかがだろうか。国内タブレット市場をけん引してきたとも言えるiPadは、当初9割以上のシェアを占めていたものの、Androidタブレットの台頭やWindows 8タブレットの登場により、じょじょにシェアを落としていることがわかる。最新の国内シェアではおおよそ4割となり、Androidタブレットにシェアを抜かれている。
もちろん、これはタブレット市場の拡大により、iPadが減ったというより、iPad以外のタブレットが成長したということでもあるだろう。

●iPadの機種としては。出荷台数は増えている
上記のグラフの通り、筆者が良く使う通勤電車でも、タブレットを使うひとは少し前までiPadばかりであったが、最近はXperia TabletやGALAXY TabなどAndroidタブレット、またSurfaceをはじめとするWindowsタブレットもよく見かけるようになった。

やはり「iPadはオワコン」に向かっているのか。
しかしながら、ちょっと待って欲しい。
次のデータは国内iPadの出荷台数そのものである。同様にICT総研の発表しているデータとなる。

iPad出荷台数
2010年度:約80万台
2011年度:約182万台
2012年度:約260万台
2013年度:約320万台
※年度=4月~翌年3月
※出典:ICT総研

と、国内シェア自体は落ちているものの、出荷台数は伸びているのだ。さらに2014年は国内最大キャリアであるNTTドコモがiPadを取り扱い始めたこともあり、出荷台数はさらに伸びるだろう。
したがって、「iPadがオワコン」ではなく、「タブレット市場が異常に拡大し、iPad以上に成長している」と受け取れるのだ。
また、国内シェア自体も、iPadは「iPad(Air含む)」と「iPad mini」の2モデルなのに対し、AndroidタブレットではXperia、やGALAXY、NexusやAUSU MeMOといった各メーカータブレットブランドを総合したシェアであることも忘れてはならない。つまり、単体製品(正確には2モデルだが)としてはXperiaもGALAXYも抜いて依然シェアNo1ということになり、単体モデルでは、未だに国内シェア4割を超えているバケモノタブレットだったということとなる。

●パソコンぽくないiPadはタブレットのタブレットたる存在に
ここまではデータで現してきたが、最後に筆者の考えを述べておこう。
まず、前提として「iPadはオワコンには向かっていない」と思う。ちなみに筆者はiPadも、Androidタブレット(Nexus 7)も、Windowsタブレット(Surface 2)も使っている。
まず、タブレットは「何なのか」ということだ。タブレットは簡易な“パソコン”ではない。

確かにウェブもメールもでき、Office文章も編集できるが、こうした利用はキーボードドックと連結できるタブレットモデルや、モバイルノートに任せたほうが便利で、快適だ
なんでもできるということは、「専用モデルには勝てない」「中途半端な器用貧乏」ともなってしまうのである。

iPadの良いところは、いろいろできないところ。

iPadは、本体にはメモリーカードを入れることすらできない。
ファイルなどをパソコンのようにフィルダ管理することもできない(アプリの利用は別)。

しかし、
PDFファイルの表示が極めて高速である。
難しい操作をしなくてもファイルを操作できる

特にファイル管理では、
画像は写真
PDFや本はiBook
といったリアルな生活と同じモノ感覚で扱うことができる。
WindowsやAndroidのように、合理的で機械的なデータとしての処理ではない。

さらに、アプリは「App Store」からでないとインストールはできない。
一見、不自由そうだが、インターネット上の、いわゆる「野良アプリ」は入れられない。
未確認の野良アプリからウィルス感染するといった危険も低い。詳しい知識がない人が危険に晒されることは少ないのだ。

したがって、「いろいろできない」ということはiPadがPCではなく「タブレット」であることに徹していることを物語っているも言えよう。また、いろいろな性能の製品があるAndroidタブレットに比べ、製品種類が少ないiPadは、アプリの互換性が高いこともメリットだ。


AndroidタブレットやWindowsタブレットに比べて割高と思われるiPadだが、タブレットに拘り続ければ、今後もタブレット市場の成長にあわせて、iPadも成長していくだろう。決してAndroidやWindowsタブレットの出荷数が上回ったとしても、「iPadはオワコン」に向かっていないのである。


布施 繁樹