日本香堂は2014年10月20日、グループ企業であるエステバン(本社・南フランス・モンペリエ)の会社設立30周年を記念したエステバン日本限定のオリジナル商品「カードフレグランス carte parfumee」を発売した。(写真は、ESTEBANの新商品「カードフレグランス carte parfumee」について紹介する日本香堂の保科裕之氏。サーチナ撮影)

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 日本香堂は2014年10月20日、グループ企業であるエステバン(本社・南フランス・モンペリエ)の会社設立30周年を記念したエステバン日本限定のオリジナル商品「カードフレグランス carte parfumee」を発売した。「エステバンが拓いてきた“インテリアフレグランス”から一歩踏み出して、持ち運ぶことができる香り商品として、新しい使い方を提案していきたい」(日本香堂ESTEBAN営業部部長の保科裕之氏)と、新発売のカード型香りツールを紹介していた。(写真は、ESTEBANの新商品「カードフレグランス carte parfumee」について紹介する日本香堂の保科裕之氏。サーチナ撮影)

 「エステバン(ESTEBAN)」は、飛行士であったジャン・マックス・エステバン氏が、世界を旅した記憶を自らの香りのコレクションに取り入れるというアイデアのもとに、1979年に創業したフレグランスブランド(会社設立は1984年)。「インテリアフレグランス」という新しいジャンルを切り拓き、今では世界40カ国以上で展開している。1996年に日本香堂のグループに入った。

 日本では、日本香堂グループに入る前から、日本香堂が代理店として30年近くにわたって国内での販売を担ってきている。そして、「エステバン」ブランドとしては、本国のフランスに次ぐ売上高を日本があげている。そこで、エステバンの会社設立30周年を記念する商品を、日本の開発チームが独自に作り上げたのが「カードフレグランス」だという。

  また、日本香堂の保科氏は「日本香堂オリジナルの『かゆらぎ名刺香』(名刺などに香り付けをする香り袋)を日ごろから愛用しているお客さまから、『エステバン』の香りでの名刺香を作ってほしいとの希望が多かったことから、今回商品開発に至りました」と、新商品の開発を進めるにいたったエピソードの一端を紹介した。

 新発売した「カードフレグランス」は3つの香り。男性向けの「トンカ」は、クローブやナツメグなどを贅沢に使用し、トンカビーンズをアクセントにしたスパイシーウッディの香り。「男性が名刺入れなどに入れてつかっていただくと、名刺交換の時の話題作りにもなり、かつ、名刺を渡した相手に強い印象を残すことができます」(保科氏)という使い方を提案している。

 また、「オルキデ」は、繊細で優美な蘭の香りをオレンジ、ミュゲ、ネロリなどで表現したフローラルグリーンの香りで、主に女性の利用を想定。「たとえば、平安時代に手紙に香りを焚き込めて送るという“文香(ふみこう)”という振る舞いがあったと伝わっていますが、そのような日本文化を現代に継承するツールとして、手紙にカードフレグランスを入れて送るという使い方もあります」(保科氏)という。

 そして、「サンタル」は、セダーをアクセントにサンダルウッド(ビャクダン)のまろやかで深みのあるソフトウッディの香りで、男女どちらでも使える。「本のしおりとして使ったり、タンスの引出に入れる、また、財布に入れておくなど、カード状の香りアイテムだからこそできる、様々な使い方ができると思います。使い方の提案も含めて、“カードフレグランス”の普及を進めたい」(保科氏)と語っている。

 この3つの香りは、日本香堂の開発チームが「カードフレグランス」用に新開発したオリジナル。保科氏は、「香りと文化は密接に関わっているので、フランスで香りが日常的に愛用されているのは、やはり、フランスの生活に根付いた香りが普及しているためだと思います。日本でのフレグランスの市場は、フランスなどと比較するとまだ小さな規模でしかありませんが、今回のカードフレグランスのように、日本の生活シーンを意識した日本オリジナルの香りを提供していくことによって、日本でも市場の広がりが出てくると思います」と語る。

 販売価格はカードフレグランス5枚入りで各1000円(税抜)。従来の「エステバン」ブランド商品はインテリア売り場を中心に展開していたものを、「カードフレグランス」については、アパレルやステーショナリー(文房具)の売り場などへの展開も展望している。「日々の生活に役立つアイテムとして、広く紹介していきたい」としている。(編集担当:風間浩)