厳選!2歳馬情報局
第15回:ブチコ

 その馬の持っている血統構成や、セリ市での落札額など、デビュー前の若駒が話題となる要素はさまざま。今年デビューの2歳馬もいろいろな話題を振りまいているが、その中で"見た目"の話題性に限れば、間違いなくこの馬が一番だろう。サラブレッドとしては珍しい、「白毛」の馬体を持つブチコ(牝2歳/父キングカメハメハ)だ。

 いくつかの毛色があるサラブレッドの中で、生まれたときから全身が真っ白い白毛馬は極めて希少。白いサラブレッドは競馬場で度々見かけるが、そのほとんどは「芦毛」で、生まれたときは黒く、年齢を重ねるにつれて白くなることが多い。正式な白毛として日本で生まれたサラブレッドは、これまで30頭にも満たないほどだ。

 ブチコの母シラユキヒメ(父サンデーサイレンス)も白毛馬で、現役時代は大きな注目を集めた。戦績は9戦0勝とふるわなかったものの、母となってから7頭の子どもがデビュー。そのうち実に6頭が、母と同じ白毛を受け継いでいる。

 ブチコの白毛ももちろん母から継いだもので、さらに全身に散らばった茶色の斑点も特徴。彼女の印象的な馬名は、その見た目から来ているという。

 そんなブチコだが、デビューへ向けて調整する姿は、決して見た目だけの馬ではないようだ。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「すでに何本か追い切りを行ないましたが、キビキビした走りで、なかなか軽快なフットワークを見せています。陣営も少しずつ手応えをつかんでいるようですね。性格も牝馬にしてはおとなしく、『扱いやすい』とのこと。初戦から健闘できるかもしれません」

 母シラユキヒメの産駒は、その毛色に注目が集まりがちだが、成績も特筆すべきものがある。

 2005年生まれのユキチャン(牝/父クロフネ)は、地方競馬の交流レースで活躍。関東オークス(GII/川崎・ダート2100m)をはじめ、重賞を3勝している。その他、ホワイトベッセル(牡/父クロフネ)やマシュマロ(牝/父クロフネ)など、ダート戦線で2勝以上挙げている馬もいる。

「兄姉はダートで活躍していますが、ブチコは走りが素軽く、『芝のほうが良さそう』と陣営は言っています。予定では、10月25日(土)の2歳新馬(京都・芝1600m)でデビューするようです」

 白毛ファミリーとして話題を集める、母シラユキヒメの子どもたち。今まではダートの上でその白い馬体を輝かせていたが、ブチコについては、芝のレースでファンを楽しませてくれるかもしれない。愛きょうのある見た目や名前とともに、ブチコの"走り"にも注目したい。

河合力●文 text by Kawai Chikara