京都国際映画祭「三船敏郎賞」に選出された役所広司

写真拡大

俳優の役所広司が10月19日、京都国際映画祭で新設された「三船敏郎賞」に選出され、京都・よしもと祇園花月で行われた授賞式に出席した。新作映画の撮影で髪をばっさり切って登壇した役所は、「本当に尊敬する三船さんの賞を頂いて幸せです。この賞に恥じないよう、残りの俳優人生を頑張っていきたい」と神妙な面持ちで語った。

1997年度から開催されてきた京都映画祭の志を継承し、今回から“国際”の冠がついた同映画祭。木村大作監督が戴冠した牧野省三賞に加え、国際的な活躍が期待される俳優におくるために新設された三船敏郎賞だが、審査員を務めた野上照代、山田洋次、橋本忍、佐藤忠男、三船史郎、奥山和由が選んだのは、現在の日本映画界にあって八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せる役所だった。

三船敏郎さんは、戦後の日本映画界をけん引した、世界的な名優。「七人の侍」「野良犬」「用心棒」など、代表作は枚挙にいとまがない。役所は過去に2度会ったことがあるといい、「30年ほど前に紅白歌合戦の審査員でご一緒して挨拶をさせて頂いた。また、京都の東映撮影所でお見かけしたときは、かつらを取った三船さんが頭を豪快にかいていらした」と振り返った。

三船さんの出演作では「黒澤明監督と一緒にやられている作品はほとんど見ていますが、『赤ひげ』が素晴らしい」と最敬礼。さらに、「若い頃のギラギラしたものも好きだし、年を重ねて見事に老いていくというか、幹が太くなって表現が豊かになっていかれた姿は、俳優として目指すべきところがある。僕も『役所というじいさんの俳優がいたな』と思い出してもらい、役がくるようになったら幸せですね」と意欲を語った。

審査員の野上は、「私は役所さんが個人的に好き。ユーモラスなんですよ。三船さんも案外そういうところがあるのよ。ユーモアって知性ですから」と選考理由を説明。新作「家族はつらいよ」の撮影で出席がかなわなかった山田監督は、「なんといっても圧倒的な存在感がある。それは、往年の三船さんをしのぐものがある」とコメントを寄せた。

これには恐縮しきりの役所だったが、「今回のお話は驚きとともに、『もらっていいんだろうか? 反感を買うんじゃないか?』という思いもあった」という。それでも、「映画俳優として尊敬する三船さんの賞ですから、誰に何を言われようともらうべきだと思った」と思い入れたっぷりに話した。

なお、この日で京都市内15会場で展開された同映画祭が閉幕、同所でクロージングセレモニーが行われた。

■関連記事
【インタビュー】小泉堯史監督&役所広司が説く、時代劇への切実なる思い
「蜩ノ記」50万人突破&山路ふみ子賞のW歓喜を役所広司、岡田准一らがお祝い
京都国際映画祭が三船敏郎賞を新設 モスト・リスペクト賞にC・イーストウッド
三船敏郎のドキュメンタリー映画製作決定!ベネチア国際映画祭で発表
京都国際映画祭開幕!牧野省三賞は木村大作が受賞「あと5年は頑張る」