早川千絵監督と内田けんじ監督

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第36回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)を締めくくる「PFFアワード2014」表彰式が9月25日、東京・京橋のフィルムセンターで行われ、「ナイアガラ」の早川千絵監督がグランプリを受賞した。

「ナイアガラ」は、18歳になってはじめて死刑囚の祖父、認知症の祖母の存在を知ったの少女が自分の境遇に屈することなく、プラス思考で歩んでいく日々を描く。「映画監督として最も期待したい監督」としてグランプリに輝いた早川監督は、最終審査員の内田けんじ監督から「喪失感丸出しでアンバランスになっている主人公が安定している不思議な映画で、新鮮な感動が1番あった。明るさ、ユニークな雰囲気から強さや優しさなどメッセージ性を感じた」と称えられると、「賞が呼ばれる度にダメだった連絡を誰からしていこうと思っていた。素人同然のスタッフと、役者さんと撮ったのは始めてだったのでうれしいです。これからも新鋭映画を作っていきたい」と決意を新たにしていた。

同映画祭は、映画の新しい才能の発見と育成をテーマにインディペンデント映画にスポットをあて、塚本晋也監督、熊切和嘉監督らを輩出してきた。今回は、10〜60代と幅広い世代から寄せられた528作品から、16歳の高校生監督・橋本将英の「流れる」や、現役会社員の柴口勲監督作「ひこうき雲」を含む21作品が入選。中島悠喜監督作「乱波」に準グランプリ、ロックバンド「黒猫チェルシー」の渡辺大知監督作「モーターズ」、山内季子監督作「埋み火」、矢川健吾監督作「人に非ず」に審査員特別賞が贈られた。

この日、内田監督のほか俳優の成宮寛貴、「かぞくのくに」のヤン・ヨンヒ監督、プロデューサーの森重晃、「アウトレイジ」シリーズなどの撮影監督・柳島克己が最終審査員として出席。「今回、審査員という映画を選ぶ役割をいただき光栄でした。すごくお金のかかった映画からそうじゃない映画までたくさんありますが、本当に自由に表現するということ、今回ここに携わって視野が広がった感じがしました。新しい監督のみなさんから刺激を受けて、俳優として仕事ができると思いました」(成宮)、「すごく楽しかったのですが、(アニメやドキュメタンリーなど作品の幅が広いため)これを審査しろというのは罰ゲームみたいで嫌な気持ちがしました(笑)。でも、5本選ぶと6本目が気になるんです」(内田監督)と新しい才能にほれ込んでいた。柳島監督と森重は、賞賛を送りながらも「もう少し技術に目を向けてくれるとクオリティの高い作品ができるのでは」(柳島監督)、「下手だということを自覚しましょう。人の映画を見ていないなと感じた」(森重)とアドバイスしていた。

なお、「ナイアガラ」「乱波」「埋み火」「モーターズ」「人に非ず」の5作品が、第27回東京国際映画祭(10月23〜31日開催)で特別上映されることが決定した。

▽グランプリ
「ナイアガラ」 早川千絵監督
▽準グランプリ
「乱波」 中島悠喜監督
▽審査員特別賞
「埋み火」 山内季子監督
「モーターズ」 渡辺大知監督
「人に非ず」 矢川健吾監督
▽エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
「独裁者、古賀。」 飯塚俊光監督
▽ジェムストーン賞(日活賞)
「ネオ桃太郎」 小田学監督
▽映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)
「ガンバレとかうるせぇ」 佐藤快磨監督
▽観客賞
「ガンバレとかうるせぇ」 佐藤快磨監督
▽日本映画ペンクラブ賞
「波伝谷に生きる人びと」 我妻和樹監督

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