景気回復傾向がみられる中、人件費高騰や求人難も同時に発生しており、事業継続の足かせになるケースが増加している。

 パートタイマーの平均時給が上昇する一方で、人件費高騰や求人難による企業の倒産も増えているようだ。

 株式会社アイデムは9月5日、平成26年6月のパートタイマーの時給に関するレポートを発表した。データは同社が発行する新聞折込求人紙の紙面に掲載されている、パートタイマーを募集する際の平均時給を採用。職種や募集時平均時給のデータを抽出し、東日本エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉など1都7県)と西日本エリア(大阪、兵庫、京都など2府5県)で集計した。新聞折込求人紙が発行されたのは6月の第2週と第4週。

 まず、東日本エリアをみると、6月の募集時平均時給は前年同月比2円増の966円だった。職種別では、「専門・技術職」は前年同月比で16円減の1,267円だったが、「運輸・通信・保安職」は同20円増の974円、「製造・建設・労務職」は同2円増の912円、「販売・営業職」は同8円増の911円、「事務職」は同11円増の901円、「フード・サービス職」は同4円増の882円になるなど、増加する職種が目立った。人手不足で話題になっている「フード・サービス職」は、11カ月連続でプラスとなった。

 また、西日本エリアでは前年同月比21円増の922円だった。職種別では、「専門・技術職」が前年同月比41円増の1,269円、「運輸・通信・保安職」が同54円増の934円になるなど、大幅に増加する職種が目立った。このほかでは、「製造・建設・労務職」が同8円増の863円、「事務職」が同1円増の862円、「フード・サービス職」が同3円増の839円、「販売・営業職」が同1円増の834円。すべての職種がプラスになっており、西日本エリアでも人件費が上昇傾向にあるようだ。

 そんな中、人件費高騰や人手不足が企業経営の足かせになるケースも増えている。

 東京商工リサーチが9月8日に発表したレポートによると、1月から8月にかけて発生した「人手不足」関連倒産の件数は、昨年同期の175件を上回る197件だった。内訳を見ると、求人難による倒産が前年同期の8件を上回る17件、人件費高騰による倒産が前年同期の6件を上回る13件発生した。

 人手不足が常態化すれば、建設業では工期の遅滞や中止、製造現場では生産の遅れ、外食産業では営業時間短縮や店舗閉鎖などが発生し、企業の業績が損なわれかねない。この傾向はしばらく続くとみられており、さまざまな業界で人件費高騰や人手不足が、重要な経営課題となる可能性もありそうだ。

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