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●夫・あべこうじにも振る舞った"魔法の粉"のからあげ2011年にモーニング娘。を卒業し、現在は女優として活躍している高橋愛が、『カラアゲ☆USA』(9月20日公開)で映画初主演を務めた。からあげ専門店の発祥地である大分県宇佐市を舞台とした本作は、史上初の「カラアゲムービー」。からあげ店の娘として育つも、幼い頃のトラウマでからあげが苦手になってしまった彩音を高橋が演じる。彩音はアメリカ人と駆け落ちしてしまう自由奔放な性格で、夫のランディ(ダンテ・カーヴァー)が行方をくらましたことをきっかけに実家に帰省。ところが、夫の連れ子であるシャーリーと一緒だったことから、実家は大騒ぎになる。

本作のキャッチコピーは「遠回りしたけど、私の帰る場所見つけた!!」。彩音はさまざまな出来事を通じて、その"大切な事"に気づいていく。モーニング娘。卒業後、舞台やドラマなどで女優としてのキャリアを重ね、今年2月にはお笑い芸人のあべこうじと結婚。福井から上京して約14年が経ち、アイドル時代とはまた違った人生を歩みはじめた。映画では家族の団らんが描かれているが、自身の幼少期にその思い出は「あまり、ありません」。そんな彼女が、今立ち止まって気づく"私の帰る場所"とは? 映画のエピソードを交え、"私の帰る場所"を振り返ってもらった。

――本作は高橋さんにとって映画初主演となる作品。やはり、現場に向かう心境はいつもと違いましたか。

クランクインの前に宇佐市の方とごあいさつしたんですが、こんなにも皆さんが愛情があって、いろんな方が関わっていると知った時に、すごくプレシャーを感じて。盛り上げるぞという勢いがすごくて、どうしようと(笑)。撮影に入る前にいろんな方が協力してくださって、ようやく撮影ができたんです。皆さんにお会いするまでは、そういう雰囲気を肌で感じることはありませんでした。映画には1000人以上の方がエキストラとして参加してくださっています。映画を観て、「プロなのかどっちなのか線引きがわからない」とおっしゃる方が多くて。中には役名が付いている方もいるんですよ!

――ブログには「時には厳しいスタッフさんに支えられて」ということも書いてありました。現場はどのような雰囲気だったのでしょうか。

やっぱり、ピリッとする場面はありました。天候の問題もありますし、そうじゃないと決められた期間で撮れなくなってしまいます。笑っている時もあれば、やるときはやる。スタッフさんが監督に怒られることもありましたけど、みんなが同じ方向を向いていたので集中して撮影に臨めたと思います。

――方言と英語のセリフについて、それぞれどのような準備をされたのでしょうか。

英語はやっぱり大変でした。ブロードウェイのミュージカルを、経験したことが役に立ちました。会話の中でキャッチボールしていくリズムをつかむのが特に大変で。だから、音で覚えることを心がけました。セリフだけを追っていたら絶対にできないので、英語と方言それぞれガイドとなるテープをもとに、リスニングとかシャドウィング(リスニングしながらセリフを言う練習)を何度も行いました。

――英語や方言での演技は、やはりハードルが高いものなんですか。

覚えることは増えますけど…ちゃんとその意味で伝わっているのかどうかという不安はありました。間違っていることも分からないので、いつも確認していました。さらに標準語のセリフもあって。私は福井県出身なんですが、標準語のイントネーションをいま指摘されてまして(笑)。言われびっくりすることもありますが、今はじまったことではないので(笑)。

――全編大分ロケだったそうですが、高橋さんは相当な雨女という噂を聞きました。大丈夫でしたか?

(モーニング娘。を)卒業してから…雨女も卒業しました。というか、雨女というよりも嵐女。台風を呼び寄せたりしちゃうんです(笑)。監督は晴れ男とおっしゃっていましたが、私が極度の雨女だということをお伝えしたら、真顔で「えっ、聞いてないよ」と(笑)。初日は雲行きが怪しかったんですが、無事に晴れてくれてよかったです。

――モーニング娘。時代は相当すごかったんですね(笑)。

写真集の撮影でハワイに行ったら、その日は台風。まるで日本海みたいな光景でした(笑)。メンバーの間でも有名で、とにかく謝っていましたね。野外で雨が降ってくると必ず「愛ちゃん!」って言われるので、「すみません…」と(笑)。ロスはあまり雨が降らないんですけど、2泊3日でもドンピシャで当たる。福井は雨が多いのですが、今のように天候に左右されるような出来事が少なかったので、あまり気にしたことがなかったです。この業界に入って言われるようになりました。

ちなみに、ハワイでの挙式は晴れました! でも、はじまる1時間前は雨降ってたんですよ。土砂降り(笑)。無事にやんでくれたんですけど、芝生がぬかるんでて。ヒールが大変なことになっていましたので、つま先立ちで移動していました。せっかくのルブタンが泥だらけ(笑)。

――さて、映画の話に戻りますが、今年4月には、からあげが似合う「ベストカラアゲニスト」を受賞しましたね。あべさんにも唐揚げを振る舞ったそうですが、その後は?

その時は作りましたけど、それからは1回も作ってないです(笑)。一応、おいしいとは言ってくれました。唐揚げをおいしく作れる魔法の粉をいただいたので、味は間違いないはずです!

――各地方によって唐揚げの味付けは変わると思いますが、ご実家の唐揚げは?

一般的な唐揚げです。お母さんの唐揚げが一番おいしいと思ってたんですけど、宇佐に行ったら変わりました(笑)。宇佐の唐揚げが一番おいしいです。お母さんの味も大好きですけど、手作り風の唐揚げはよく出会うことありますよね。でも、宇佐の唐揚げは違う。東京にも進出しているお店もあるんですよ。この映画を観たら間違いなく唐揚げを食べたくなります!

●「結婚おめでとう」に涙

――食卓のシーンでは珍しい料理が出ていましたね。肉じゃがにイカが入っていましたよね?

ありましたね! 炒め物のような料理です。また、それをシャーリーが箸を使って器用に食べるんですよね(笑)。

――彩音の一家の食卓は、行儀の悪い弟が叱られるなど、彩音がどのような環境で育ってきたのかを知ることができるシーンでもあります。高橋さんはどのような「食卓」で育ちましたか?

お父さんが帰ってくるのが遅かったので、だいたい私と妹で食べて、お母さんはお父さんの帰りを待っていました。家族団らんは、私がモーニング娘。で東京に出て、実家に帰った時ぐらいが初めてだったような気がします。朝起きると、お父さんはすでに仕事に行ってて。14歳で上京したので、あまり家族団らんの思い出はありません。

小さい頃はそれが当たり前なので、あまり違和感なかったんですけど、お父さんが仕事休みの日は時々焼き肉に行ったりして。そういう時間はとても幸せでした。妹と2人で食べるご飯も楽しい一時ですけど、家族全員で食べることがあまりないからこそ、ありがたみは感じますね。

――その後、モーニング娘。に入ると食生活が変わったと思います。

どうしてもお弁当が多くなっちゃいますね。その時の私にとっての団らんはメンバー。だから、卒業してからのほうが寂しくなっちゃいました。楽屋も一人ですし(笑)。でも、モー娘。にいる時は一人で行動することもあって、心配されるタイプだったんですよ。吉澤(ひとみ)さんとかが「高橋どこ行った?」って(笑)。ただ、いざ一人になるとにぎやかな楽屋が恋しいですね。

――今の結婚生活はどのような食卓ですか。

外食が多くなっちゃってますね(笑)。でも、どちらかが早く終わる時は作ったりしています。

――ブログには「入籍後、初の手料理」としてオムライスの写真がアップされていました。ケチャップで「ハート」の絵と「ABE」というメッセージが書き込まれていて、まさに幸せの象徴だなと。

あはっ! なんであんなこと書いちゃったんでしょうね(笑)。もうちょっとかわいく書けばよかったです。まさに、"なかなか料理を作らない人の手料理"でしたね。でも、もともと全くやってなかったので、それに比べればやるようになりました。

――この映画で、彩音は遠回りをしながらも最後は大切な事に気づきます。高橋さんはそのような経験をしたことありますか。

やっぱり実家から離れて親の有り難みを知ることができたのは、大きなことだったと思います。毎日ご飯を作ってくれてたんだなとか、毎日洗濯してくれて、掃除をしてくれて…。当たり前のことができているお母さんは偉大ですね。その時は感謝の気持ちを伝えることはできませんでしたが、今なら言えます。結婚したのでなおさらですね。十代の時、お母さんみたいになりたいなんて言いませんでした。母は21歳で私、23歳で妹を産んでいます。その歳に自分が並んだ時に、やっぱりお母さんはすごいなと…。

――そんな高橋さんが今は家庭を築いています。結婚発表後、ファンとCMを撮影する機会があり、皆さん祝福してくれたそうですね。その反応は予想していましたか。

どんな反応をされるか分からなかったです。応援してくれている人がいるからこそ、この仕事ができていますし、裏切ることではないんですけど…きっとショックを受けている人もいると思うんです。急な発表になってしまったので、その分、皆さんがどんな反応をするのか全く分かりませんでした。

確か、そのCM撮影を行ったのが、記者会見の少し前。横浜で会見を開いたんですが、CM撮影も横浜で。すぐ入籍を控えていました。あっ。ちなみに、その時は大雪(笑)。気になったのは男性ファンの方の反応だったんですが、皆さん「おめでとう」と祝福してくださいました。中には「結婚おめでとう」と書かれた横断幕を作ってくださった方もいて。直接、感謝の気持ちを伝えるために、スタイルブックにサインをして皆さんにお渡ししましたが…感極まって泣いてしまいました。本当にすっごく、うれしかったんです。

モーニング娘。を卒業してからは、やっぱりファンの方と直に接する機会が少なくなります。ミュージカルなどの舞台は対面することはあっても一方的。今まではファンに向けて歌を届けていたのが、舞台上ではその作品の世界観があって、その姿は私ではありません。今、こうして過ごしていると、ファンの方と接する機会が貴重な時間だったんだと、あらためて感じます。

■プロフィール高橋愛1986年9月14日生まれ。福井県出身。2001年に5期メンバーとしてモーニング娘。に加入し、約10年間在籍した。第6代目リーダー、Hello! Projectのリーダーとして活動。2011年の卒業後は、演技の仕事に力を入れ、NHK大河ドラマ『平清盛』、映画では『シェアハウス』(11)や『恐竜を掘ろう』(13)に出演。舞台やミュージカルの出演機会も多く、ミュージカル『赤毛のアン』では昨年から2年連続で主役を演じている。(C)2014カラアゲ★USA製作委員会

(水崎泰臣)