北京五輪で師弟関係にあった稲葉

今季限りでの退任を発表した楽天の星野仙一監督に関して、周囲からも驚きの声が上がった。

 日本ハムの稲葉篤紀選手は球団を通じて「まだまだ指揮を執られると思っていたので、非常に驚いています。」とコメントを発表。

 2008年北京五輪の日本代表では師弟関係にあり、ともに過酷な大会を戦い抜いた。「北京五輪ではアジア地区予選、本戦と本当に中身の濃い時間を過ごさせていただきました。星野監督の下で日の丸をつけて野球をやれたことで成長できたし、いろんなことを勉強させていただきました」と振り返った稲葉は、「シーズンが終わったらゆっくりと休んでいただきたいとは思いますが、野球界のさらなる発展のためにお力を貸していただければうれしく思います」と指揮官の今後の活躍に期待を込めた。

 また今季、腰痛に苦しみ、5月26日から約2か月間休養を余儀なくされた星野監督に対して、日本ハムの栗山英樹監督は「いまは退任されるというショックが半分、これからは体を大事にして欲しいと思う気持ちが半分です」とコメント。胸椎黄色靱帯骨化症と腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け、7月25日に復帰してきた姿に「監督は誰よりも元気でいないといけない中で体調を崩され、復帰された際に元気そうにされていた姿を見て、逆に大変だなと思っていました」とも話している。

 さらに指導者としても大きな影響を受けたことを明かし、「自分が取材者であった頃から『監督とは野球に対して何をしなければならないのか』といったことをよく話されていて、監督として必要なことをたくさん教えていただきました。もしかすると、一番教えていただいた監督かもしれません。そういう意味でも感謝の気持ちでいっぱいです」。

 反面で、監督同士の立場になってからは一定の距離があった様子で「対戦相手として戦うことになってからは、きっぱりと線を引かれていました。『勝ってよかったな』などと声をかけていただいたことはありません。メンバー交換でもほとんど会話を交わしませんでしたから。そういったところでも『戦うんだ』『敵なんだ』という姿勢を示されていたんだと思います」と感謝の気持ちとともに振り返った。