外国製テクノロジーへの依存から自国を脱却させようと躍起になっている中国政府が、新たな試みに出た。中国独自のOSを導入すると発表したのだ。

 10月にも誕生するとみられる中国産OSはデスクトップ向けで、その後はタブレットや携帯電話にも対応する予定だという。工業情報化部の指揮の下、中国トップレベルのソフトウエアエンジニアである倪光南(ニー・コアンナン)が開発に参加する。

 この発表は、IT大手各社が中国市場への足掛かりに苦戦するさなかに行われた。中国政府は5月、マイクロソフトに対し、政府機関のコンピューターでウィンドウズ8を使用するのを禁止すると通達したばかり。8月にはマックブック・エアを含むアップルの10製品について、政府機関での購入を禁じた。

 外国のIT大手に向けられた中国の対抗心は明らかだ。「グーグルやアップル、マイクロソフトと戦える環境を整えているところだ」と、倪は言う。
果たして中国産OSはシェアを伸ばせるだろうか。

 ここ数年、中国は成功した外国企業を模倣して世界のインターネットサービスの「中国版」を次々と生み出してきた。09年から禁止されているフェイスブックに代わって中国版SNSの開心網(カイシンワン)が人気となり、同じく禁じられているツイッターの代わりに新浪(シンラン)微博(ウェイボー)は6億人以上のユーザーを獲得している。

 グーグルの前には検索エンジンの百度(バイドゥ)が立ちはだかり、かつてアップルが独占していたスマートフォン市場では小米(シャオミ)の製品が躍進する。
それでもOSとなると話は簡単ではない。中国のコンピューターの推定92%がOSにウィンドウズを採用し、小米の製品を含むスマートフォンの85%でグーグルのアンドロイドが使われている。そのシェアは圧倒的だ。

[2014.9. 9号掲載]

マット・スキヤベンザ