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●「マスキングテープ」ブームの火付け役に聞く「マステの今」いま、文房具好きの、特にに女性の間で「マステ」なるものが空前の大ブームを巻き起こしていることをご存じだろうか。

「マステ」とは「マスキングテープ」の略語。基本的に和紙で作られていて、粘着力は低く、貼り直しができる再剥離のテープのことだ。もともと塗装現場や撮影現場など、作業箇所以外を汚さないためや資材の識別のために専門職の人たちの間で使われていた養生テープを指すが、それを「雑貨」としてとらえ直し、かわいい色や柄をプリントして売り出したところ、文房具愛好家の間に爆発的な人気が出たというのが「マステ」のおおまかな歴史だ。

正直なところ、筆者はマステに対して「どう使うの? それに、何が楽しいんだろうか……」とブームに首をひねっていた手合いなのだが、そんな折、「今度『マスキングテープ交流会』をやるんですけど、来てみませんか?」と「文房具カフェ」さんからお誘いをいただいた。それならば、多くの人々をとりこにする「マステ」ブームの根源に迫るべく、独占取材させてもらうことにした。そして、マステを愛好する女性のことを、ここでは「マステ女子」と呼び、彼女たちがいかにしてマステを愛し、楽しんでいるのかを探っていきたい。

○マステブームの火付け役・「mt」のカモ井加工紙にインタビュー

この交流会に協賛したのは、マスキングテープのブランド「mt」を展開するカモ井加工紙。本社は岡山県倉敷市で、職人用・雑貨用問わずマスキングテープはもちろん、ハエ・虫取りなど「粘着」商品の研究開発をしてきた専門の企業だ。

「カモ井加工紙は今年で創立91周年を迎えましたが、雑貨としてのマスキングテープ販売は6年前にスタートしたばかりなんです」と、交流会に立ち会ったコンシューマー課の岡本さんがにこやかに説明してくれた。年々デコレーション用のマスキングテープの市場は拡大していて、昨年度の売り上げは約15億円と急速に成長している。「マステ」を購入する年齢層も幅広く、子供からお年寄りまで、たくさんの人が「マステ」を楽しんでいるそうだ。

「マステ」ブームの先駆けとなったと言っても過言ではない同社の「mt」ブランド。一度でも店頭で見かけたことがある方はお分かりになるかと思うが、職人たちが使っている武骨なマスキングテープのイメージとは全く異なるおしゃれな雑貨の雰囲気があり、さまざまな柄がありながらも、テイストは統一されている。その目を引くようなデザインセンスについて伺ってみた。

「マスキングテープのデザインは居山浩二さんという方に一括してお願いしています。新柄に関してはイベントや展示会などに来られたお客さまから直接「こういう物がほしい」、「ああいう物を作ってください」とご要望いただいたものを吸い上げて商品化することも多いですね。要望だけでなく、いろいろな使い方をお客さんからご提案していただくことが多く、むしろこちらがいろいろと勉強させていただいているという感じです」

居山浩二さんといえば、集英社文庫の「ナツイチ」キャンペーンやHNK大河ドラマ「龍馬伝」などを手がけ、JAGDA新人賞受賞など受賞歴多数の素晴らしいデザイナー。それに加えて、ユーザーの意見が積極的に取り入れられているのも興味深い。ユーザーの声は展示会などに加え、「mt」のwebサイト上、そして各地で開催しているワークショップにも寄せられているそうだ。事実、この交流会でも、多くの「マステ女子」たちが、岡本さんに話しかけ、思いをぶつけていた。

●ユーザーの声から生まれた「家をデコるマステ」○マステで家のリフォームも!?

ちなみに、ユーザーの要望で最も多かったものは?とうかがうと、「『もっと幅広のマスキングテープがほしい』というものです。箱や手帳では収まらず、部屋の家具や壁紙を自分でかわいくしたいということで」と岡本さん。もうそこまでくると職人みたいじゃないですか! 驚く筆者に「そうなんです」と返しながら、岡本さんは長い筒状のテープを取り出した。

「そうした声から、インテリア向けの「mt CASA」というシリーズが発表されたんです。(既存のマステと比較して)非常に幅の広いテープなので、携帯のケース全面や箱の大きな面はもちろん、木やステンレスなどあらゆる素材に貼ることができ、家具や壁紙にも使うことが可能です。また、紫外線を99%カットする目隠しにもなる窓ガラス用シート「mt CASA Shade」という物もあります」

ここまで来ると、もう革命だ。「マステ女子」はマステであらゆる物をデコり、その熱意でメーカーを動かし、今や壁の色をかえたり、窓ガラスをデザインしたりと、DIYの領域までマステひとつでやってのけてしまっているのだ。

「最近の動向ですと、マスキングテープは海外でも注目されはじめています。日本製の物は和紙でできているので、半透明で大変しなやかですからね。柄は、やはり和の雰囲気の物が人気です」とのこと。最後に、岡本さんは、「マスキングテープは比較的安い単価で、誰でも簡単に使えて、使う人によって無限の可能性があると思います。われわれもまだ発展途上ですし、どんどんお客さんと一緒に新しい物を創り出していければと思います」と締めくくった。

○次回は「マステ女子」の実態に迫る!

いやはや、「マステ」、それに「マステ女子」のすごさ、おみそれいたしました!確かに、岡本さんからお話を伺っているだけでも、「マステ」が持つたくさんの可能性を感じる事ができた。

次回はいよいよ、女性参加率100%となった「マステ女子会」もとい「マスキングテープ交流会」の模様をレポートします!

(くすきはいね)