スキンヘッド姿を披露したジェームズ・フランコ(右)

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第71回ベネチア国際映画祭で10月5日(現地時間)、ジャガー・ルクルトの主催する監督栄誉(ばんざい)賞に輝いたジェームズ・フランコの授賞式と、アウト・オブ・コンペティションに出品されている監督作「The Sound and the Fury」が上映された。

本作の共演者を伴ってレッドカーペットに現れたフランコは、スキンヘッド姿で口ひげにサングラス、後頭部にはモンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーの顔のタトゥーという異様な出で立ちでファンを驚かせた。黒のスーツの正装ながら、白いワイシャツは大きく胸元がはだけ、数時間前から会場前に陣取っていたファンのサインに応じたものの、にこりともしなかった。

授賞式が始まり、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラが“アイザック・ジェローム”と名前を呼ぶとフランコが登場し、「俺の名前じゃない」とつぶやいて退場。会場はあっけにとられたものの、次の瞬間に謎が解けた。実は全てが演出で、フランコの次回作のためにムービーカメラを回していたのだという。その次回作とは、スティーブ・エリクソンの原作を映画化する「Zeroville」。フランコは監督兼主演のアイザック・ジェロームに扮する。

カメラを回し終えた後、ようやく正式な授賞式に。バルベラが「彼はもっとも多面的な才能に恵まれたアーティスト」とフランコの業績を称えた後、ジャガー・ルクルトの盾が授与された。スピーチでフランコは、「ベネチアは今年で4回目。自分にとって特別縁のある映画祭であり、常に自分の作品を真剣に受け止め評価してくれた」と語った。

フランコが監督、主演を務めた「The Sound and the Fury」は、ウィリアム・フォークナーの原作を元に、20世紀初頭のアメリカ南部を舞台にした物語。裕福な一家の3兄弟の物語を、3つのチャプターでつづっている。クラシックな話法と実験的な音と映像のスタイルが混ざった意欲的な作品ながら、いささか力みすぎて騒々しい映画になってしまった印象が否めない。(佐藤久理子)

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