トイレの「WC」表記が減っている? 都内のトイレを調査してみた

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復刻版の『よりぬきサザエさん』を読んでいたところ、こんな話があった。

サザエが編み上げたセーター。得意げに着て出たら、偶然出くわした友達のセーターの前に編まれた文字が2人合わせて「WC」になっちゃって赤面……。

ふと思えば、そういえば、トイレの[WC/W.C]表記って、昔ほど見かけなくなったような気がする。

[TOILET]
[お手洗い]
[化粧室]
[RESTROOM]

または、男女のシルエットを表わしたマークだけだったり。

実際、トイレの[WC]表記って、いまどのぐらいの割合で存在しているのだろうか。都内のあちこちを、見てみた。

まず、東京メトロの駅構内。[お手洗い/Toilets]と、2種併記の表示。

都営地下鉄の駅でも同様の表示。
JRの駅には[化粧室/Restroom]と表示されていた。

ある駅ビルは[化粧室]で、レストランの中は[Restroom]。デパートに入れば[化粧室/restroom]と書いてあって、地下街のトイレは[TOILET]。あるホテルでは文字表記はなく、マークだけで表示されていた。

見ているうちに分かったのは、日本語と外国語が併記される場合は、[お手洗い/TOILET]と、[化粧室/RESTROOM]の組み合わせになっている。意味合いが違うのだろう、[お手洗い/RESTROOM]という組み合わせはみられない。

いずれにせよ、そのほとんどが[お手洗い/TOILET(S)]系か、[化粧室/RESTROOM(s)]系またはマークのみ表示で占められている。
[WC]、思ってた以上に、ない。

その後もいろんな場所でトイレチェックするが、[WC]に全然出会えず、[便所]表記に先に出会ってしまった。
さらに、オフィスビルでは、[Lavortory]という、「ああ、これもあったか!」と、レアモノ発見みたいな気分になれる表記も発見した。

探し続けて36カ所目。ついにあった、[W.C]!
そこは、港区の路上のトイレだった。

ついに出会えた[WC]。その文字も、どこか輝いて見える気がする。トイレを我慢し続けて発見したとき並の喜びか。別物か。

次に見つけたのが新宿区の書店。さらに千代田区の書店にも[WC]。奇しくも本屋さんばかりなのはなぜなのか。本屋さんに行くとトイレに行きたくなる現象とは、関係ないと思う、たぶん。
今回は、100カ所強チェックして、4カ所に[WC]を発見することができた。

ちなみにホームセンターのサインプレート売り場をのぞいてみたら、驚くことにひとつも売られていなかった。
サインプレートを製造・販売する会社にたずねてみたところ、やはり[TOILET]や[化粧室]などに比べて商品数は圧倒的に少ないという。

なぜ[WC]は使われなくなってきたのか。
ある便器メーカーにたずねてみると、便器以外のデータはないので不確かではありますが、ということわりつきだが、
「近年は、トイレ利用の用途も広がっていることなどもあり、あまり綺麗でなかった時代を思わせる表現、『便所』や『WC』は、避けられるようになってきている傾向があるのではないでしょうか」
という見解を示してくれた。確かに、化粧を直したり、用を足すだけの場所だけでなくなったことが、主に用を足すだけだった時代の表記を塗り替えていった結果なのかもしれない。トイレのあり方も変わり、今ではすっかり少なくなった[WC]表記。サザエさんセーター事件のようなことは、もうあまり心配しなくてもいいのかもしれない。
(太田サトル)