中国メディア・BWCHINESE中文網は7日、「ショッピング天国」として有名だったシンガポールの小売業が今年に入ってマイナス成長を続けていることを紹介するとともに、「なぜ天国から地獄に落ちてしまったのか」と原因を分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C) Javarman Javarman /123RF.COM)

写真拡大

 中国メディア・BWCHINESE中文網は7日、「ショッピング天国」として有名だったシンガポールの小売業が今年に入ってマイナス成長を続けていることを紹介するとともに、「なぜ天国から地獄に落ちてしまったのか」と原因を分析する記事を掲載した。

 記事は、シンガポールの小売業が今年に入って1月こそ前年同期比で0.1%のプラスだったものの、2月から5月にかけて4カ月連続でマイナス成長を記録したこと、アラブ首長国連邦(UAE)のアルフタイム財閥がシンガポールのブランドショップ数店を閉鎖したことなどを紹介。そのうえで、シンガポールの小売業が苦境に陥った背景について5点挙げた。

 1点目はシンガポール製品が中国や香港の製品よりも3%ほど高価であること、2点目は、この1年でシンガポールドルが対人民元で3%値上がりしたこととした。

 3点目には、シンガポール小売業の売り上げ中2割を占める外国人顧客のうち半数を占める中国や、これに次いで大きな割合を占めるインドやインドネシアにすでに多くの世界的ブランドショップが進出していることを挙げた。また、2012年5月よりシンガポールの小売額の成長がすでに平均1%と停滞状態にあったことを4点目とした。

 そして5点目として、欧米の実質的な経済回復不調、韓国の経済不振などによってシンガポールを訪れる外国人観光客数自体が減少していることを紹介。今年1-5月度で前年同期比1.7%減となり、とくに中国人観光客は27%減と際立ったとした。

 記事はさらに、シンガポールには国際金融センターというもう一つの顔があるが、このためにシンガポールドルはさらに値上がりすることでより一層小売業にダメージを与えることになるとも論じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C) Javarman Javarman /123RF.COM)