今月10日、ニューヨークヤンキース・田中将大が右肘靭帯の部分断裂により無念の故障者リスト入りとなった。今後は治療を続けながら復帰を目指すも、その状態次第ではトミー・ジョン手術を受ける可能性もあると言われている。

田中の負傷により改めて議論になっているのが日米における登板間隔の違いだろう。日本は中6日での登板が多いものの、アメリカでは中4日が基本とされる。オールスターの前日会見では、ダルビッシュ有も「(中4日は)絶対に短すぎる」などと発言し、さらなる議論を促している。

では、実際に投げているMLB投手はどのように感じているのか――。20日放送、NHK「サンデースポーツ」ではMLBで活躍した野球解説者・吉井理人氏がVTRで登場、現場投手の様子を語った。

「メッツにいた時に当時の監督が登板間隔をあけたいと先発を6人にしようと案を出した時があったんですよ。僕は“ああ、よかった。登板間隔があくから回復する日が一日できるな”と思ったんですけど、他の4人のピッチャーがみんなノーと言ったんです」。メッツ時代の出来事を吉井氏はこう切り出した。

「(向うの投手は)感覚の部分がすごく大事なので、それを鈍らせたくないからあまり間をあけたくないんすよ。それと回復をどっちとるかと言ったら感覚のほうをとって投げているピッチャーが多いかもしれないですよね」という吉井氏は、「故障しても一杯投げてお金儲けたいんだって思ってる選手も多いと思うので。手術に対する怖さを全然感じていない選手達はそう言ってるのもアメリカにいた時に感じましたし、みんなは簡単に、ちょっと痛いと虫歯治すみたいな感じで手術するみたいな。そういう感じでした」と続け、根本的な考え方の違いを説明した。

反面、同じく同番組にコメントを寄せたトミー・ジョン手術の経験者である桑田真澄氏は「トミー・ジョン手術は何が選手にとって一番辛いかと言うと、復帰までの期間が長いということですね。約1年。この精神的な苦痛。これも伴ってきますので、それに耐えうるかどうかも辛さの一つ」とトミー・ジョン手術が持つ投手への負担を述べた。それでも、現在治療中の田中について桑田氏は「完全に治してマウンドに上がってもらいたいですね。だましだましでできる世界じゃないんです。一流のレベルで彼はいるわけですから、また同じ一流のレベルで戦えるようになるにはだましだましじゃ厳しい。僕は手術して納得いくまで現役生活をまっとうしてもらいたいと思っています」と語っている。