ビジュアル界を長年に渡り牽引し続けている連中たちが集結したイベント「Crazy Monsters」。

PENICILLINの千聖がリーダーとして活動中のCrack6。元FANATIC◇CRISISのKazuyaを筆頭に同じく元FANATIC◇CRISISのSHUN.。DASEIN・R.A.P・RIDER CHIPSのRicky。そして、元DispersRayのZEROとTSUKASAが集まり誕生したTHE MICRO HEAD 4N'S。元PIERROTの潤,元La'cryma ChristiのKOJIを中心に結成したALvino。元Psycho le CemuのLidaとYURAサマが手を組み活動中のDacco。そして、元Kill=slaydのTOKIや元LaputaのJunjiやTomoiをメンバーとして擁するC4。まさに、イカし(れ?)た奴らばかりが集った夏祭りが、7月5日(土)に新宿BLAZEを舞台に「Crazy Monsters〜七夕祭り 2014〜」と銘打ち行われた。

このイベントでは、BRAND Xの矢田店長が各バンドを呼び入れてトークを行っていくことが好例になっている。この日のイベントも、BRAND Xの矢田店長、Crack6の千聖、THE MICRO HEAD 4N'SのRickyの3人のトークからスタート。「今回で「Crazy Monsters」は6回目。今日の趣旨は、お前ら(観客)にとって誰が彦星なんだということ」と千聖が語っていた。今回のトーク・コーナーでは「短冊に書いたお願い」を紹介。Rickyが願ったのは「しっかりしたいです」。その言葉に対して、千聖が「ここはCrazy Monstersの集まりなんだから」と突っ込んでいたことも報告しておこう。

トップを飾ったのが、Dacco。3人のダンサーを引き連れたYURAサマとLidaが、ダンスナンバー『スーパー•ウルトラ•グレート•デリシャス•ワンダフル•ミラクル•TOUGH!!』に乗せ、パラパラ風の振りを交えた踊りを見せながら、観客たちをダンスロックな世界へ導き出した。触れた人たちの身体を揺らすノリ良い楽曲に合わせ、早くも場内はディスコな空間へ。
「楽屋緊張するねぇ。あんな気ぃ使う楽屋ある?先輩ばっかりやん。でもありがたい話ですよね。C4のTOKIさんに「何処の商店街から来たの??」と声かけられたときは嬉しかったですよ。唯一,気を使わないのがRickyさん。あの野郎は…」と、相変わらずのコミカルなトークを繰り広げてゆくYURAサマ。そこへ巧みな突っ込みを入れていたLida。

『Fall in LOVE in the summer』は、エアロビ風のダンスを組み込んだ楽曲。いや、ビジュアル・スタイルを持ったエアロビ・ダンスポップナンバーと言ったほうが正解か…。YURAサマが73カ国に通用するAFAA公認のエアロビクスインストラクターのライセンスを取得した事から、会場は一気にエクササイズスタジオへ。

駆けだしたエレクトロなダンスビート。『エキセントリック』でもDaccoは、観客たちへ派手な動きのダンスを教えながら、その場で思いきりエクササイズさせていた。「今日はざわついとるわ、YEAH! めっちゃHOLIDAY!」(Lida)。最後はDacco流ランニング・ナンバー『RUNNING MAN』を歌唱。舞台上で走り続ける2人に合わせ、会場中の人たちも、疾走してゆくカラフルなダンスナンバーに合わせ一緒に走り続けていた。ともに楽しみながらダイエット効果得られる運動もできるとは…。Daccoのライブ、運動不足の人には嬉しい内容かも。MCコーナーでは、DaccoのYURAサマとLidaが登場。短冊に書いた願いごとは、YURAサマが「チェキが売れますように」。Lidaは「オーラをください」。なんとも二人らしい願いごとじゃないか。Lidaのオーラは果たして備わるのか?!

目ざましのベル音が鳴り出すと同時に,大騒ぎするに相応しい、開放的に駆け上がる『Alarm of life』が流れ出した。ズンズンと躍動する晴々とした楽曲が、満員の観客たちの気持ちも思いきりはしゃぐ色に染め上げてゆく。「声を聞かせろ!!」。唸りを上げた音が、感情を熱く昂らせていった『new world』。火照った気持ちを、誰もが舞台上へとぶつけていた。クリーンなギターの演奏に合わせた、爽やかな幕開け。サビ歌後には、何処か挑戦的な姿勢見える姿で『close to you』を唄い演奏してゆく姿も。開放性の中へ攻めの表情を巧みに折り込んでゆく。だから、この歌に深みを覚えたのだろう。「七夕祭りということで彦星になった気分です。今日は夏祭りだから一緒に踊りましょう」。何処か挑発的なノリも覚えさせた『春恋』。観客たちは、翔太の振りに合わせ一緒に振り真似ながら、四つ打ちのビートに合わせ、ともに恍惚な気分へ浸っていた。

「声を聞かせてくれ、いいかー!!」。民族音楽風のフレーズも、新鮮。激しく駆ける『ARCADIA』の演奏に合わせ、会場中の人たちが跳ねだした。どんどん熱さを増してゆく場内の空気。凛々しく攻めるメンバーたちの姿は、とても挑発的だ。
「飛べー!!」。場内中の観客たちが一斉に手拍子しながら跳ねだした。思いきり騒ぎモードへ感情をシフトさせた『WAVES』。無条件に笑顔になって飛び跳ね、はしゃいでいける。解放感を持ったその心地好さか最高じゃないか。「最高の夏の思い出をありがとう」。最後に叫んだ翔太の言葉は、そのまま観客たちの想いにも重なりあっていた。止まない歓声こそ、その証明だ。トークコーナーには,ギターの潤が登場。短冊に書いた願いは、翔太が「ご飯をお腹いっぱい食べたい」。潤は「ツムツムで200万点出せますように」。KOJIは「千聖くんのような素敵ボイスをください」。それそれのキャラが見えてくるお願いじゃないか。

クレイジーでスペイシーな音が流れ出した。一転、演奏が始まったと同時に、Rickyの凛々しい歌が響き出した。狂ったデジタルサウンドとタイトなビートの上で、荒々しい演奏が騒ぎ、はしゃいでゆく。『EARNEST GAME』が場内に作りあげた、熱狂生み出すための駆け引きのゲーム。スリリングな演奏が、嬉しいくらいに感情を武者震いさせていた。

「イカれちまうおうぜー!!」。フリーキーでスピーディなデジロック・ナンバー『BREAKING AND SHOUT OUT!!!』に合わせ、会場中の人たちが声を張り上げ騒ぎだした。爆裂した演奏が、グサグサと身体を貫いてゆく。凄まじい音の波に、全身が熱狂で包まれてゆくような感覚だ。「最近、ミスターの一番目の女だと調子こいてて。俺がここでも二番目に偉いんだと思っていたら勘違いだった。今日は「Crazy Monsters」ということでバンド側もみんなクレイジーなやつらばかり。みんなもクレイジーになっていいんだぜ」Rickyの煽りを受け演奏したのが、7月30日に発売予定の『PARASITIC EMOTION』。ダークなデジタルビートとは裏腹に、情熱に満ちあふれた歌を届けてゆく。その嬉しいギャップが、この楽曲の魅力だ。スーッと胸に飛び込む歌と心地好いダンスビートを備えているせいか、観客たちも初めて聴くにも関わらず、演奏へ素直に身を預け、心地好く酔いしれていた。
「一緒に躍ろうか!!」。弾け出した激烈ダンスロック・ナンバー『I Surrender』では、誰もがタオル振りまわし、熱狂に溺れていけば。最後の『Curtain Call』でも、「イカれちまえ」の煽りに相応しい、暴れの風景が広がっていた。激しくも開放的な楽曲に合わせ、拳振り上げ、魂を解き放ってゆく。その感覚がとても心地好いじゃないか!!最後の最後まで続いた熱狂のコール&レスポンスが、この日の観客たちの心の本音を物語っていた。

トークには、SHUN.とTSUKASAが登場。メンバーが短冊に書いた願いごとには、TSUKASAは「なまりがと取れますように」。Kazuyaは「そろそろピザを食べてみたい」。Rickyは「しっかりしなきゃ」。ZEROは「Crack6のPVに出演出来ますように」。SHUN.は「職務質問が減りますように」と記されていた。

ド頭から、ブッ飛んだ『Crocodile Vibration』を叩き付けたのが、C4。熱く熱く煽ってゆく戦闘モードの姿勢に、観客たちもタオルや拳を振りまわし、熱した想いをぶつけていた。精神的にハードコアな姿勢、彼らにこそ「Crazy Monsters」な言葉が相応しい。

暴走は、さらに加速度を上げだした。凄まじい速度で跳ね上がる『NINE BREAKER』の上で、朗々と。でも、攻めるよう歌を届けていくTOKI。ブレーキの壊れた暴走マシーンのような姿こそが、彼らの勲章か。破裂した勢いは、『SPECTER』へとシフト。歌物なのに、演奏が疾走してゆくこともあり、昂った感情は終始上がり続けていた。トークでは、共演メンバーたちのことを巧みにいじっていたTOKI。「90年代の意地見せましょうか!!」。フリーキーなギターの演奏も印象深い、デスビート・ナンバー『Incubate』で場内中の人たちの身体を揺らせば、カラフルさと激しさを内包。狂気じみた『flarestack』を通し、観客たちを暴れの渦へとC4は巻き込んでいった。艶を持った大村孝佳のギターのリフが心地好く胸に響いてゆく。刹那メロな歌なのに、嬉しいくらいに感情を昂らせていった『UNITE』。

「出会った当時、PENICILLINは全員大卒という事を知って…まぶしかった。こんな高卒な僕らを呼んでいただけるとは、学歴社会も終わったな。高卒採用してくれた千聖くんに感謝します。一番ブチ抜ける曲を最後にブチ噛まします」。最後に、歌心も活かしたバースト・ナンバー『Pylebanker』を演奏。場内に大騒ぎの風景を作り上げ、C4は、派手にライブの幕をシメくくっていった。

トーク・コーナーには、TOKIが登場。短冊でのお願いごとは、Tomoiが「みんながいい感じに暮らせますように」。Junjiは「世界中に幸せを」。Takayoshiは「家族みんなが健康で過ごせますように。そしてサマージャンボ宝くじが当たり前ように」。TOKIは「この世から飢えが無くなりますように」と「PENICILLINのみんなが通っていた大学へ通えますように」という内容だった。

スリリングでハードビートな演奏が飛び出した。冒頭から攻めゆく姿勢のもと、観客たちへ挑むように『NEO』をぶつけてきたのがCrack6。観客たちもその場で跳ねたりと、弾けた演奏の中へ嬉しそうに飛び込んでいた。轟きだしたマシーンビート。「暴れる準備は出来てるのか!、いくぞー!!」。『衝撃〜warning666〜』というタイトルに相応しい、キリキリと攻め込む演奏を叩きつけたCrack6のメンバーたち。荒ぶった演奏の中、凛々しく唄う千聖の歌が心へ刺さってきたのが嬉しいポイントだ。まさに、制御の効かない爆裂したナンバーだ。高速で疾走してゆく楽曲に身を浸しているだけで、一緒に恍惚の極みへと。興奮の高みまで登っていけそうな気分。すでに舞い上がった感情は『破壊不可能』だ。

歌物として聞かせゆく表情も加えながら。でも、ストッパーの外れた爆走し続けるマシンビートは止まることがない。新曲の『Violet Eyes』でも、会場中の観客たちが狂ったように騒ぎ続けてゆく。まさにこれぞ、クレイジーなライブ!!触れた瞬間、一気に感極まりゆく感情を与えてくれた歌メロ。疾走した演奏を止めることなく、極上美メロな歌を通し、身体のみならず、観客たちの心も揺らし、濡らしていった『Loveless』。千聖が、手にした旗を大きく振り出した。「JUMP×3」。一切止まることのない演奏。ブレーキなど最初からなかったかのよう、本編最後を飾った『770R』でも、大きく旗を振り、炸裂した激しく疾走してゆく演奏の上で、殴り掛かるよう歌をぶつけていた。まさか、ここまでアグレッシブな姿勢を見せてゆくとは。誰もが無我夢中で、暴走したマシーンビートに抱きつきながら、終始暴れ続けていた。まさにクレイジーなパーティムードじゃないか!!Crack6のメンバーも、短冊に書いた願いごとを披露。SHIGE ROCKSは「世の中が平和でありますように」。TENZIXXは「世界が平和でありますように。そして、金持ちになれますように」。U6は「ジャパネット千聖のグッズが完売しますように」。JIRO 6は「まずクレモンツアー。そして明日のワンマンが楽しくなって晴れますように」。MSTRこと千聖は「ZEROくんがCrack6のPVに出演してくれますように」としたためていた。

最後は、この日出演したメンバーたちによる大セッション大会へ。演奏したのが、「Crazy Monsters」のために制作した楽曲『Crazy Monsters』。ラップ・スタイルの幕開け。演奏もラップ・ロックなスタイル。出演者たちが次々と歌を掛け合いながら、ヘヴィでヒップな演奏の上で気勢を上げてゆく。場内では満員の観客たちがタオルを振りながら、一緒に騒ぎ立てていた。出演者どうしの絆の深い「Crazy Monsters」というイベントだからこそ生み出される、熱狂的なのに温かな一体感。最後の最後に行われるこの大セッションを含め、一緒に大騒ぎしてまでが「Crazy Monsters」のイベント。7月13日(日)の大阪MUSE公演も、同様に大盛況に終わった。

次回の「Crazy Monsters」はハロウィンイベントで、10月12日(日)の神戸VARIT、13日の(月・祝)京都MUSE、26日(日) の新宿BLAZEが決定している。(カメラ:小林 裕和/TEXT:長澤智典)