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特撮作品『牙狼<GARO>』シリーズゆかりのクリエイターたちによるトークイベント「GARO CREATOR'S kNight」が6月20日、東京・台場の東京カルチャーカルチャーで行われ、シリーズ総監督の雨宮慶太監督、造形作家の竹谷隆之氏、漫画家の桂正和氏、TVアニメ版『牙狼<GARO>-炎の刻印-』の林祐一郎監督が登壇した。

これらのメンバーでは、一見作品との関係が薄そうな桂氏だが、実は阿佐ヶ谷美術専門学校時代に雨宮監督の2年後輩が桂氏、さらに一年後輩が竹谷氏に当たる縁で、桂氏は俳優としても『牙狼<GARO>』にゲスト出演している。雨宮監督が「自分が初めて見た時は(桂氏は)『太陽戦隊サンバルカン』の格好で踊っていた」と暴露すれば、竹谷氏も「自分が見た時もその格好だった」と証言。「『サンバルカン』の話はもういいよ……」と苦笑するしかない桂氏だった。やがて桂氏が漫画家としてブレイクした後、雨宮監督が勝手に桂氏に『ゼイラム』のヒロインイリアのデザインを発注。各方面に怒られながらも世界的に人気のキャラクターになったエピソードが語られていた。

雨宮監督と竹谷氏の出会いは、当時雨宮監督の家に住み着いていたイラストレーターの寺田克也氏がきっかけで、ある日寺田氏が連れてきた造形マニアが竹谷氏だったという。三人の中では竹谷氏が一番後輩なこともあり、トーク中は雨宮監督と桂氏が両サイドから竹谷氏をいじりまくる展開に。二人が「世界の竹谷隆之」と褒め殺すと「この人(雨宮監督)は嘘ばっかりですから」「芸人じゃないんでうまく返せません」とぼやき通しの竹谷氏だった。

竹谷氏は自身が監修する『牙狼<GARO>』のおもちゃについては「僕はおもちゃに落としこむ時の監修を担当していますが、だいたいがんばってるのは原型の藤岡ユキオ君で、彼はできあがるまでなかなか見せてくれないんですよ」と藤岡氏の技術を賞賛しながら、「たとえば二刀流の銀牙騎士ゼロのフィギュアは剣が映像より長めになってるんですが、現実だと長すぎると殺陣が難しい。立体映えする剣の長さはまた違うんです」と実例を挙げて解説。数えきれないほどフィギュアを所有している桂氏も「牙狼のフィギュアが好き。ヒーローが好きなので主人公がいいんです。『牙狼<GARO>』のフィギュアは、すごくかちっとしていますね」と称賛していた。

イベント中には現在制作中の「幻影騎士クロウ」試作品を特別に公開。竹谷氏が「頭部が開閉するギミックで、藤岡君がすごく苦労してました」と話すと、雨宮監督が「そこが大変なのはよく気がついたね。実は撮影用のクロウは頭部が開いているものと閉じているものがふたつあるんです」と裏話を語って笑わせていた。「幻影騎士クロウ」は7月25日に受注開始で、2014年12月発売予定。

自身もおもちゃが大好きだという雨宮監督だが、『牙狼<GARO>』のフィギュアで遊ぶことはないという。「自分で関わった作品は自分の一部だからおもちゃという感覚はないんです。自分で遊ぶのはトランスフォーマーだね」と語ると、アニメ版の林祐一郎監督も「私もトランスフォーマーはほとんど買っています」と語り、遊び方などで世代を超えて意気投合する場面もあった。

林監督が手がけるTVアニメ『牙狼<GARO>-炎の刻印-』は、2014年秋より放送予定。林監督はアニメについて、「特撮をアニメにするのはあまりない試みなので、オファーがあった時はやりますと即答しました。アニメには竹谷さんがデザインしたザルバも登場しますし、アニメだけに登場する騎士もいます。時代設定は特撮版の過去の物語で、中世ヨーロッパが舞台になります。鎧召喚といった『牙狼<GARO>』ならではのシーンや世界観をなるべく再現したいと考えています」と語っていた。

特報映像を見た雨宮監督も「すごく楽しみです。シリーズ構成は小林靖子さんなので、一筋縄ではいかない作品になると思います。アニメは熱いスタッフが作ってるので、新しい表現として皆さんに楽しんでほしいと思います」と期待を寄せていた。

トーク中はアルコール片手に、竹谷氏をいじったり、寺田氏との海外での珍道中を語ったりと会場を笑わせていた雨宮監督だったが、質問コーナーでは「創作で大事にしていることは?」という客席の質問に「大事にしていることはオリジナリティ。そのメンバーでしかできないことをやりたい。世の中のいいものを取り入れるのは実は楽なんだけど、そこはゼロから作って、真似するより真似される作品を作りたい」、『牙狼<GARO>』の出発点については「なんで人間って存在するんだろうと考えたのが出発点でした。自分の中で表現したい、やりたいものがなくなるまでは『牙狼<GARO>』に関わっていきたい」と真摯に回答する場面もあった。

最後は雨宮監督が「俳優が来るわけでもない、今日のようなメンバーの集まりでこんなに集まってくれたことに驚いた。アニメが放送されたらまたこのメンツでイベントをやろう!」と再会を約束してイベントは幕となった。シリーズ最新作の特撮ドラマ『牙狼<GARO> -魔戒ノ花-』はテレビ東京系で毎週金曜深夜放送中。TVアニメ『牙狼<GARO>-炎の刻印-』は、2014年秋より放送予定。

(トランジスタ)