アフガニスタン、大統領選挙後の不正選挙疑惑で混乱-オバマ大統領が自制を求める

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ガニ元財務相が暫定勝利

アフガニスタンで大統領選での不正疑惑をめぐり、アブドラ元外相とガニ元財務相による対立がエスカレートしていると独メディアが9日、報じた。

4月5日に行われた大統領選挙の第1回投票では、アブドラ氏が勝利した。だが、絶対多数には達しなかったため、決選投票に持ち込まれることに。6月14日、アブドラ・ガニ両氏による決選投票が行われた。7日に発表された開票結果によると、ガニ氏が得票率56.44%、アブドラ氏が同43.56%。

アブドラ氏は8日、「選挙ではカルザイ大統領と選挙管理委員会、ガニ陣営が共謀して大規模な不正が行われた」と主張。不正の調査が十分に行われなければ、結果を受け入れないことを示している。

(画像はイメージです) Image:by isafmedia

EUや米国「徹底的調査」を要求

アブドラ氏による不正の訴えを受けて、欧州連合(EU)は不正に関し、性急に調査することを要求。オバマ米大統領は、両氏が暴力や違法手段によって対立を強めていくならば、米国はアフガニスタンへの援助を中止する可能性があることを示唆し、自制を求めた。

9日付フォークス誌オンライン版によると、オバマ大統領は両氏と電話で会談し、「不正に対する全ての合理的な訴えを徹底的に調査すること」を強調し、「アフガニスタンの国家統一の妨げになるような行為を避けること」を訴えたという。

選挙の不正問題を解決するために、米国のジョン・ケリー国務長官が11日、アフガニスタン入りする予定だ。今回の不正問題が民族間の対立に発展し、国が分割される恐れがあり、予断を許さない状況である。

最終的な公式結果は7月22日に発表される見通しで、新大統領の就任式は8月2日に予定されている。

▼外部リンク

フォークス誌オンライン版:Obama appelliert an Abdullah und Ghani
http://www.focus.de/politik/ausland/3976895.html

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