みらいと三井不動産は5日、「柏の葉スマートシティ」で国内最大級の植物工場「柏の葉 第2グリーンルーム」を6月に本格稼働したと発表した。レタス、グリーンリーフ、ロメインレタス、フリルレタスを含む15種類以上の野菜を、1日につき約1万株生産・出荷するという。

 同社によると、今回の植物工場では多段栽培施設による高い生産性で年間を通じて安定的な野菜供給ができる。また、独自の栽培ソフトにより苦みが少なく栄養価の高い野菜を生産する。新型のスタンディング型をパッケージ採用し、清潔感の向上とともに鮮度保持期間も長期化した。

 植物工場は三井不動産が工場事業主となり、みらいが工場を運営し野菜を生産する。生産された野菜は、JAグループをはじめとする系統団体が国と連携して設立した6次産業化ファンドからの出資をうけたみらいトレーディングがパッキングして出荷する。

 柏の葉スマートシティは、省エネだけを実現する技術特化型の街づくりではなく、自然環境を活かしながら住民が無理せずエネルギーの低減を実現できる街づくりを目指した「環境共生都市」、住民の食・運動・社会参加を地域ぐるみでサポートしつつ疾病予防をテーマに子供から高齢者まで健康で豊かな生活を実現する「健康長寿都市」、未来社会を支えるテクノロジー・ベンチャー企業や新産業の創出を地域連携で進める「新産業創造都市」の3つを柱とした課題解決型の街づくり目指している。

 柏の葉では、千葉大学が「環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター」を開設した当初の2003年頃から、継続的に植物工場の研究や実証実験が行われてきた。2009年10月には、千葉大学・みらい・三井不動産が協力して2坪タイプの小型植物工場を開発して、商業施設「ららぽーと柏の葉」内に設置。2012年5月には、大規模な植物工場の実証実験施設が千葉大学キャンパス内に整備され、学術機関や企業と協力して植物工場の研究開発に取り組むコンソーシアムの一つとして、「街中植物工場コンソーシアム柏の葉部会」が三井不動産をリーダーとして設立された。