最新!保存食のアレコレ「井村屋 えいようかん:5年」「コアラのマーチビスケット:5年」「パスタ・プリマヴェラ:25年」
2011年に起きた東日本大震災以降、常に防災の意識を持つ人も多くなりました。もしもの時に備えて、家庭に保存食を常備している人もいることでしょう。さてそんな保存食ですが、最近はいろいろなものが保存食として登場しているそうです。
今回は、さまざまな目新しい保存食を紹介します。
■備えておくと役に立つ最新保存食たち
●井村屋 えいようかん(井村屋)
井村屋のようかんを特殊なパックで包装して保存食にしたものです。一本でご飯1膳分のエネルギーを摂取できます。保存期間は5年間とかなり長期保存が可能なので、もしもの時のために常備しておくといいでしょう。
●コアラのマーチビスケット(ロッテ)
2012年の2月に全国発売された保存食。チョコレートを薄いビスケットで包んだ人気のお菓子「コアラのマーチ」の保存食版です。ただ、普通のコアラのマーチとは異なり、チョコは入っていません。保存期間は5年間です。
●水だけあればお餅(株式会社クロレラ科学研究所)
お餅をフリーズドライにした保存食。食べる時は水に浸すだけですぐにモチモチになります。種類は「あんこ」「きな粉」「しょうゆ」の3つが販売されています。こちらも5年間と長期保存が可能です。別の会社の製品では、「いそべ餅」などもあるようです。
●ビスコ(江崎グリコ)
子供のおやつの定番の一つ、ビスコを保存缶に入れて長期保存を可能にしたものです。保存期間は5年間。お子さんのいる家庭の保存食にいいでしょう。
●パスタ・プリマヴェラ(マウンテンハウス)
こちらはアメリカの会社が販売している保存食です。クリームパスタの保存食で、パスタ缶だけの購入のほか、クラッカーやシチューなどの缶がセットになったものを購入することも可能です。パスタ・プリマヴェラの一番の注目は保存期間。
なんと25年間保存が可能です。
製造技術の向上によって、一般的に売られているものも非常食として製造・販売されていたりします。前述のコアラのマーチやビスコ以外にも、森永ミルクキャラメルやリッツといったお菓子も保存食の缶が販売されています。
■缶詰やレトルト食品はどれくらい持つ?
さて、こうした保存食はどれくらい持つものなのでしょうか? 日本缶詰びん詰レトルト食品協会に聞き、調べてみました。
まず、保存食の代表ともいえる缶詰についてですが、「理論上は腐ることはなく、ずっと保存することが可能」とのことでした。缶詰やレトルト食品は、密封して加熱殺菌して中を無菌状態にするため、物を腐敗させる菌や微生物がいない状態になっています。
そのため、冷暗所など、缶やパッケージが腐食しにくい環境で保存すれば、理論上はずっと腐らずに持つはずなのだそうです。
ただ、保存していく中で味や香りなどは少しずつ劣化していくので、いつまでもパックしたままの状態にはならないとのことです。
ちなみに、過去には「114年間保存されていた缶詰を開けて食べた」という記録が残っています。試食の結果は、味や匂いは悪くなく、十分に食べることが可能だったそうです。ちゃんと保存すれば、とりあえず114年間は持つということですね。
逆にいえば、密封状態で殺菌処理がされていないものについては、いくら賞味期限が長くてもずっと持たないということです。そうしたものは期限内に早めに消費する方がよさそうですね。
ちなみに、賞味期限や消費期限についてですが、同じく日本缶詰びん詰レトルト食品協会に聞いてみたところ、
●賞味期限
「おいしく食べられますよ」という期限。食品にはおいしさが減退していくポイントというものがありますが、食品に表示されている賞味期限は、安全のために実際に味が落ちる期限よりもかなり前倒しの表示になっています。
そのため、少々期限を過ぎた程度ではまだおいしさは残っています。缶詰などは先に述べたようにそもそもが保存の利くものなので「賞味期限が切れたとしてもそこまで大きな影響はないと思う」とのことでした。
●消費期限
お弁当やお総菜など、比較的鮮度の落ちやすい食品に表示されます。「賞味期限と同じく安全のために前倒しにされた期限が表示されていますが、これは表示された期限内に使い切るようにしてください」とのことでした。
「備えあれば憂いなし」ということわざもあるように、もしもの時のために保存食を備えておくといいでしょう。保存食だけでなく、水やサバイバルグッズなどもお忘れなく。
(貫井康徳@dcp)