写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●「撮り終えたらどんな人間になるんだろう」と思ったWOWOWで5月18日(日)からスタートする連続ドラマ『モザイクジャパン』[R15+指定相当]はAV(アダルトビデオ)業界を舞台にした、脚本・坂元裕二、主演・永山絢斗による社会派エンタテインメントドラマ。平凡だった故郷の田舎町と住民たちを巻き込みながら先の見えない膨張を続ける巨大AV企業・GALAXYZとそこに集まる人たちに翻弄されていく主人公、常松理市を演じた永山に話を聞いた。

――まずは出演の感想についてお聞かせ下さい。

たまたま一人で温泉にいた時、マネージャーからメールで台本が届いて読んだんですけど、衝撃的でした。特にどこがと一言では言い表せないんですけど、とにかく衝撃的でした。撮影を振り返ってみて、自分の中で何か目に見えて変わったわけではないですが、テーマがテーマでしたし、すごく面白い現場でした。25歳という年齢でこの作品に出会えて良かったと思います。

――今回、演じられた理市についてはどう思いますか。

理市は真面目で純粋な心を持っていて、桃子(ハマカワフミエ)のために頑張ろうとしながら巻き込まれていく様はすごく面白いと思いました。演じる側として理解できない部分はないので、気持ちに無理がないんですよね。しっかり脚本を読み込めば伝わるようになっているのは、やっぱり坂元さんの力だと思います。

――とはいえ、好奇心はあっても実際にはあまり馴染みのない世界ということで、演じて大変だったシーンなどはありましたか?

理市は基本的に受け身の役なので、周りの役者さんの方が逆に大変だったと思います。僕はひとりニュートラルでいました。ただ……男体盛りは大変でした(笑)。それと、自分でカメラを持ったままAVを撮影するシーンがあったんですけど、いざ本番、という時になって「あ、俺が撮るんだよな」って気が付いて照れくさくなりましたね(笑)。

――ドラマを通じて業界の裏を見て感じたことは? また、何か変化はありましたか。

クランクインする前に実際にAV業界に取材に行った人の話を聞きしましたが、やっぱり撮る前はすごく恐怖でしたね。「撮り終えた後、俺はどんな人間になっているんだろう……」と。あまりにもいろいろなことを知りすぎて、もしかしたら性欲が無くなってしまうんじゃないかと思いましたけど、大丈夫でした(笑)。

●固くなった"核"にスルスルッと入って壊したい――改めてストーリー全体を見渡すと、脚本の坂元裕二さんも語っているように、ドラマのタイトルにもある「モザイク」というものが実は「日本」そのものを象徴しているのではないかという印象を受けました。

モザイクというものが物事のグレーな部分を隠すものであると考えた時、自分自身の中にもモザイクをかけてる部分ってたくさんあるんだろうなって思ったんです。心の中に明確にしているものと、してないものがあって、同じグレーにしても、白っぽいグレーもあれば黒っぽいグレーもある。かといってモザイクが全部なくなって丸裸になることも、すごく怖いと思います。

――詳しくは言えませんが、ドラマではクライマックスからラストにかけ、予測出来ない怒涛の展開が押し寄せる中、最後に理市がする"選択"がとても印象的でした。演じていてどう思われましたか。

それまでのことがすべて報われてない感じがしますよね(笑)。ハッピーエンドっぽいんだけど、全然そうじゃないというか。でも、見る人にはいろいろ考えてもらいたいし、「これで終わりなの!?」という終わり方のほうが、僕は好きです。

――最後に役者としての今後の目標を含め、25歳の一人の男性としての率直な思い、欲しいモノ、叶えたい欲望などについて、ぜひ"モザイク"をかけずに(笑)お聞かせ下さい。

難しいですね……時々「自分は何が欲しいんだろう」って考えたりしますけど、今大切だなって思うのは、良いことも悪いことも前向きにとらえる気持ち、ですね。

――と、いいますと?

けっこう僕、飽き症で、続かないことが多いんですけど、役者という仕事は楽しく続けられてます。もちろんお金も欲しいし、物欲もあるけど、じゃあ、金持ちになって欲しいもの全部手に入れても、それはそれで違うってことはなんとなく想像出来るじゃないですか。それに、役者としてのスキルがあったとしても、その先に何があるのかなんて分からない。だったら「歳取った時に振り返ったら面白かったな」って思えたら、それでいいかなって。

――それが今の永山さんのリアルな気持ち、ということでしょうか。

70年代がどうとか、80年代がどうとか言うじゃないですか。2000年代とか2010年代は、僕はまだ若いからそんなに振り返ることは出来ないですけど、いい時代になればいいなって思う。僕は"ゆとり世代"なんですけど、結局それ(ゆとり教育)もオトナの都合で廃止になったじゃないですか。なんか自分が「ダメだ」って言われているような感じがして、だったら同世代で何か出来ることがあったら、って思うんですよね。よく、オトナが「最近のガキが怖い」とか言いますけど、「あんたらオトナの方がよっぽど怖いんだよ!」と(笑)。僕たちの世代としてはこれから先、そんな固くなった“核”の部分にスルスルッと入って壊す、ということをしなきゃいけないのかなって思っています。

出演はほかに高橋一生、宮地真緒。連続ドラマW『モザイクジャパン』は5月18日(23:00〜 全5回)WOWOWプライムにてスタート。

(中村裕一)