日本共産党の宮本岳志衆院議員は20日、NHK「日曜討論」に出演し、審議中の教育委員会改悪法案について「政治的な中立を守れないのが最大の問題だ」と述べました。番組には各党の教育問題担当の衆院議員が出席しました。

 自民党の遠藤利明議員は、いじめ問題対策などを持ち出し「首長の意見をしっかり反映できるかたちにした」と発言。教育委員会の廃止法案を提出している民主党の笠浩史議員は「責任を首長さんに一元化する」、日本維新の会の中田宏議員は「責任者を首長にする」と述べ、教育を首長の支配下におく姿勢を示しました。

 宮本氏は、政治が教育を支配したことが侵略戦争に結びついた反省を受けて「政治からの独立」が戦後教育の大原則になったにもかかわらず、政府案はこれを侵すものになっていることを指摘。「あの戦争が正しかったというような歴史を偽る愛国心教育とか、学力テストの結果公表など競争主義の教育を押し付けるためだ。子どもが被害者になる」と批判しました。

 遠藤氏は、教育委員会制度が首長の権力乱用を防ぐためにつくられたと認め、「権力の乱用を防ぐのは大事だと思っている」と述べざるをえませんでした。

 いじめ問題に関して宮本氏は、滋賀・大津市のいじめ事件の第三者調査委員会報告書が、いじめを隠ぺいしたのは教育委員会事務局で、教育委員がカヤの外におかれてチェックできなかった、としていることを紹介。報告書が教育委員会の存在意義は認めていることをあげ、「(教育委員会を)無くしたり、弱めたりするのはまったく逆だ」「住民代表が話し合って決めて、チェックする教育委員会の機能は極めて大事だ」と強調しました。

 いじめ対策については「いじめをするだけの背景と原因をしっかりつかみ、いじめをしなくなるまで指導するのに責任をもつのが大事だ。厳罰主義ではなくならない」と述べました。

宮本氏「お金の心配なく学べる社会に」

自民「予算は少ない」

 20日のNHK「日曜討論」で安倍内閣の「教育再生」が議論になりました。

 道徳の教科化にかんして自民・遠藤利明議員は、「道徳心が薄れていじめなどが起きている」として検定教科書導入や、子どもたちへの評価を行うべきだと強調。維新・中田宏議員は「『仁義礼智信』を守れるようにする。日本人として受け継ぎ、規範として宿していく必要がある」と復古的な道徳観を押し付ける考えを示しました。

 日本共産党の宮本岳志衆院議員は、「市民的道徳を身に付けることは非常に大事です。基本的人権、人間の尊厳をつかんで正義感、責任感ある人に育ってもらうことは大事だと思います」と表明しました。

 その上で、学習指導要領には基本的人権という言葉さえ入っておらず、上から“よい子ども”を押し付ける古くさいやり方になっていると指摘。「教科化を皮切りに国家が道徳の内容に口出しする危険があると思います。下村博文文科大臣は、教育勅語は『至極(しごく)まっとう』と発言された。国家が内心に踏み込む不安を国民が感じるのは、理由があると思います」とのべました。

 宮本氏は、「教育改革」というのなら「お金の心配なく誰もが学べる社会をつくるべきです」と強調。「世界では大学まで無料が流れなのに、日本では私学の初年度130万、国公立82万という高学費。奨学金は世界で給付制が当たり前なのに、すべて貸与制で、大学4年で借金は300万、大学院までいくと1000万にもなる。こんな状況は一刻も早く解決する必要があります」とのべました。

 自民・遠藤氏は「教育予算は少ない。OECD(経済協力開発機構の加盟国)からみてもかなり少ない」と認めました。宮本氏は「カネも出さずに教育に口を出すというのは、政治が一番やってはならないことだ」とのべました。