メンズヘルスクリニック東京の小林院長に、話を聞きに行ってきました!

写真拡大

思うに、春は“抜け毛”のシーズン。だって、増えてるんだもの! 入浴するじゃないですか。……おかしい。排水口に注目せざるを得ない……。
というか、日々の生活で「薄くなってきた」と感じる場面が多くなってる気がします。風呂上がりや、髪をセットする時などなど。年齢(記者は36歳)の問題もあるんでしょうけど……。

そこで、興味深いデータを発見しました。AGA・発毛治療、メンズヘルス外来を専門に行う「メンズヘルスクリニック東京(旧城西クリニック)」(東京都千代田区)が20〜50代の6,334人の男性を対象に「薄毛に関する意識調査」を実施したようです。

まず、「現在、あなたは髪や頭皮について悩みがありますか?」という質問から。結果、気にかけている人(「現在悩みがある」「過去に悩んだことがある」「今まで悩んだことがないが、将来悩むかもしれない」いずれかを回答した人)は、全体の71.4%にも上りました。薄毛に関する悩みといえる「ボリュームが少ない」・「髪の毛が薄い」いずれかの項目を回答した人は2,043人と全体の32.3%という結果になっています。

では、なぜ薄毛を意識しはじめたのでしょうか 。「薄毛になったと感じ始めたきっかけは何ですか?」という設問では、「自分自身の頭部を鏡で見て」(45.0%)、「抜け毛が増えた実感があって」(25.5%)、「他人に指摘された」(12.9%)という回答がトップ3になったようです。
でも、実際に自分が薄毛かどうなのか、どう判断すればいいのか難しくはないでしょうか。この辺、素人が1人で悩んでいてもしょうがない。メンズヘルスクリニック東京の小林院長に、話を聞きに行ってきました!

――調査を見ると、薄毛に悩んでいる男性が多いことがわかりました。でも例えば、病院で診断し、医者の目から見て、やっぱり“勘違い”だった……という患者さんはいらっしゃいますか?
小林院長 “勘違い”かどうかの基準が、難しいんです。というのも医学的には、「薄毛」の定義はないんですね。血圧だったら「この数値より高かったら高血圧」、骨を見て「折れていたら骨折」と診断できますが、髪は本人が「薄いと思うか思わないか」、主観の問題になります。ただ、こちらが見て「あなたの年代でこれ位だったら気にする必要はないんじゃないんですか?」という“見解”はお伝えします。それは客観的な、我々からの見え方です。
――なるほど。じゃあ、病院で「そこまで薄毛ではないですよ」と言われ、ホッとして帰る患者さんは多いんですか?
小林院長 あんまり、いないですね。
やっぱり、誰が何と言おうと気になる! そうですよね、その人の主観ですからね。

■薄毛の原因って、何?
意識調査を見ると、「薄毛の原因として考えているものは何ですか?」という問いがあります。結果、1位「ストレス」(62.5%)、2位「遺伝」(45.7%)、3位「睡眠不足」(34.8%)といった回答がトップ3を占めた模様。……これらって、本当に髪に悪いでしょうか? それとも、この中に実は髪に悪くないなんてものもあったりするのでしょうか?

小林院長 「AGA(男性型脱毛症)」というのは、加齢現象(エイジング)の1つの現われなんですよね。年をとると必然的に全ての組織(細胞)は 衰えます。ただ、個人差もあります。20〜30代でAGAが出る人もいれば、60〜70代でも髪がしっかり生えている人もいて、その個人差に皆さん悩んだりするわけですよね。“個人差”が何から来るかというと、最も大きな要因は「遺伝」です。
――「遺伝」ですか!
小林院長 そこで我々は一卵性双生児のリサーチを行いました。遺伝が全ての要因だったら兄弟で全く同じ経過を辿るはずです。ところが、ある程度年をとって比較してみると、髪の状態が全く同じとは限らないわけですよ。ですから、生活習慣もAGAに何らかの影響を及ぼしていると考えられます。しかし、“これこそが”といった決定的な要因を1つだけあげるのは不可能なのです。ストレスもあるでしょうし、タバコも、お酒も、ヘアケアの問題も考えられます。
なるほど。世で言われているものは要因として考えられるけれど、個人差があるので、何がその人に影響しているかはわからないそう。

■薄毛に有効なケアとは?
「頭皮のケア全般について、あなたご自身のお気持ちにあてはまるものをお選びください」という設問では、最も票を集めたのは「ケアをもっと早く始めればよかったと思う」(71.3%)という回答でした。また、「あなたが髪や健康のため、実際に行っていることは何ですか?」という問いでは、1位「頭皮の洗い方」(42.2%)、2位「頭皮マッサージ」(38.3%)、3位「育毛剤」(30.9%)という結果でした。ケアについて悩んでいる人も多いようですが……一体、どれが本当に有効なんでしょう? 教えてください、小林院長!

小林院長 ケアを気にする方のお気持ちはわかりますが、そういう情報に振り回され、やり過ぎておかしな事になってる人は決して少なくはありません。例えば、毛穴に詰まった汚れを取ろうとマッサージをしすぎて、頭皮を傷付けてしまったり。毛穴の詰まりで薄毛になるのでしたら、洗髪しない人は全員そうなっているはずですから。

確かに、言われてみれば! 

■AGA治療には“精神的ケア”が必要な場合もある
調査には、「普段の生活の中、どのような時に薄毛が気になりますか?」という問も。ここでは「鏡で自分を見るとき」(61.3%)、「入浴中、髪を洗っているとき」(39.7%)といった回答が票を集めていますが、他に気になる回答を発見。それは、「周りから視線が頭部に集まっているとき」という意見です。これ、日常生活に支障を及ぼさないでしょうか?
そういった実情を踏まえ、メンズヘルスクリニック東京では“精神的なケア”を重視しているのだそう。

小林院長 「そばに笑ってる人がいるけど、それは俺の髪を見たからに違いない 」と思い込んでしまう患者さんもいらっしゃいます。明らかな被害妄想が存在するような場合は精神疾患の治療が優先されるケースもあります。
――先ほど「毛穴マッサージのしすぎで頭皮を傷つける」といった悪循環の例を挙げていただきましたが、他にも悪循環の例はありますか?
小林院長 抜け毛を気にするがあまり、排水口に流れ込んだ髪を毎回毎回洗髪の後に拾って数えないと気が済まないという人もいらっしゃいます。
――えーっ、それは、大変だな……。メンズヘルスクリニック東京では“精神的ケア”を行っているとも伺いました。その内容を、具体的に教えていただけますか?
小林院長 私は精神科医でもありますので、診察の結果としてあまりにも不安が強ければ抗不安薬を出すケースもあるし、悩みすぎて眠れなければ睡眠導入剤を出すこともあります。時には、うつ病の治療薬を出す場合もあります。必要であれば、カウンセリングも行います。
――そこまでしてくれるクリニックって、多いんでしょうか?
小林院長 ほとんど存在しないと思います。当院には各科の専門医が何人かいますので、頭皮トラブルがある人は皮膚科の専門医が診ますし、メンタルの治療を要する人は精神科医が診ます。

小林院長は精神科医でもあったんですね。幅の広い診療を受けることができそう!

■AGA治療の目標値
では、いざ病院へ行ったとしましょう。AGAに“完治”ってあるんでしょうか?
小林院長 AGAに“完治”は、ないです。
――加齢・エイジングの1つの現われ、ですもんね。
小林院長 治療効果の持続については平均的に1年くらいの伸びしろがあるので、ウチでは「1年は頑張ってみてください」と言っています。最初の1年は「進んでしまったと思われている時計の針がどこまで戻るか」ということに取り組む。そこから先は、「時計の針の進みをいかに遅くするか」。治療の目的が変わるわけです。
――なるほど。
小林院長 残念ですが今の医療の実力では全員の患者さんが100点まで改善することは不可能です。それでも80点まで戻ったとして、それをできるだけ維持したいんだったら、必要最低限の加療は続けていかないといけません。

■「髪の毛のあるうちに……」
薄毛に悩んで、何らかの対策(食生活の改善、頭皮マッサージ等)を自分なりに行っている人も多いと思います。そういう方に向け、小林院長からのメッセージをどうぞ。
「薄毛が気になったら専門の医療機関を受診し、ご相談された方がいいと思います。むやみに色んなことに手を出した結果、逆に自分で自分の首をしめてしまうような事になる場合もあるのです。『自分が今どういう立ち位置にいるのか、専門的な立場から客観的に見るとどうなのか、これからどのような対応をすればいいのか』を診ていただきましょう」

要するに、AGAも他の病気と同じ。何かあればお医者さんに診てもらうのが何より、ということです。一人だけだと、余計、気に病んでしまいそうだしな……。何しろ、「気にしすぎ」は禁物ですから!