NASA、宇宙飛行士用の手術ロボット開発へ―宇宙船内の緊急医療に対応

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米航空宇宙局(NASA)が現在、米ネブラスカ州の技術会社「Virtual Incision」と開発しているのは、なんと約400グラムという小型手術ロボット。宇宙滞在中の虫垂炎や胃潰瘍などの緊急医療が必要とされる事態に船内で手術を行えるようにしようというもので、既に試作品が完成しているとのこと。

報道によると、今後数ヶ月のうちに宇宙の無重力状態での操作性を試験予定です。

ロボットについた二つの腕は手術器具を装着できるようになっており、操縦者が遠隔操作で動かすことで、手術器具を持った手先のように動かすことができ、組織を縫合したりなどの操作をこなすことができるのだそう。腕には体内を映す小型ビデオカメラもついており、手術の様子を操縦者が確認することもできるようになっています。

ただ、装置は遠隔操作仕様であるものの地球からの操作はタイムラグが激しいため、宇宙飛行士同士での手術が行えるよう訓練していく計画です。試作品は目下、豚での実験を行っていますが、NASAによると、次の段階では人間の遺体を使っての試験になるとのこと。

現在、国際宇宙ステーションに滞在する飛行士たちは、医療緊急事態には帰還カプセルに乗って数時間で地球に戻ってこれる状態になっているそうですが、火星など遠距離の飛行が視野に入るいま、船内医療も一段と進んできているようですね....!

参考:
The robots that could perform surgery in SPACE: Tiny doctor droids could perform complex medical procedures on astronauts
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2595059/The-robots-perform-surgery-SPACE-Tiny-doctor-bots-perform-complex-medical-procedures-astronauts.html