相手を洗脳してくる人が、よく使う心理学「理想描写→理論提供→現状把握→目標設定→支援表明」

写真拡大

相手が人の言いなりになっている姿を見ると、「あいつは洗脳されているから」などと言われますが、どのような方法で相手を言いなりにしているのでしょうか。今回は人を洗脳するときの方法について、説明していきます。

■洗脳とマインドコントロールの違い

一連のカルト宗教事件以来、メディアが信者のことを「洗脳されている」と騒ぎ立てたため、現在では本来の洗脳という意味で利用されることはほとんどなく、広義の洗脳という意味で利用されています。洗脳とは本来、拷問や薬物などを使用し、個人の精神構造を強制的に変化させていくものであります。

簡単に言うと暴力的要素で、無理やりいう事を聞かせ、いう事を聞かなければ痛い目にあうといったことを繰り返し、自分の意思を強制的に換えられるといったことになります。

洗脳の方法としては、長時間眠らせなかったり、食べ物を与えない、強制的な労働を繰り返させる、脅迫や暴力に監禁、はたまた薬物を使用し、精神や肉体をまひさせ、思想を植えつけるなどといった方法があります。

一方マインドコントロールは単に、人の心を自由に操れる状態にすることを意味し、身体的拘束を行うわけではありません。洗脳とマインドコントロールは実際には全くの別物になりますが、現在では、ほぼ同意語のように利用されている節があります。

■相手を言いなりにする方法

そもそも洗脳という言葉は、戦争時代に生まれた言葉であって、現代社会にはあまり似つかわしくない言葉とも言えます。人をあやつるといった点では、実際にはマインドコントロールが正しい言葉になりますが、最近では洗脳とほぼ同義語になっているため、ここではあえて洗脳という言葉を利用します。

組織が人を洗脳するには、理想描写→理論提供→現状把握→目標設定→支援表明という流れを利用します。ターゲットに近づき、ターゲットの理想の世界を一緒に描き、共に行動することで実現できると説き伏せます。これを理想描写と言います。

ターゲットが理想描写を不審がったときは、こういった理論や法則があると説明し、相手をその気にさせます。これが理論提供になります。ターゲットがその気になったとき、あえて一度落とします。これが現状把握になります。

ターゲットが落ち込んだときに洗脳する側がもちだすのが目標設定です。コツコツやっていくことにより、理想の世界を実現できると説き伏せます。そして最終的に、組織のボスが自分が支援するといった支援表明をしてやることによって、洗脳が完了します。

これらは宗教にも利用されますが、実際のビジネスシーンでも利用される手法です。

洗脳には他にも、人を教育していくことによって洗脳していく方法や、よい行動をした場合は報酬を与え、悪い事をすると罰を与える行動を洗脳する方法、自分の思想を捨てて、相手の言いなりにさせる思想を洗脳する方法などがあります。

不安や恐怖で思想を植え付け、感情を殺す洗脳方法や、思想以外の情報は一切シャットダウンさせる洗脳方法もあります。

相手を言いなりにしようとした場合、いろいろな方法を利用して洗脳することができますが、ビジネスの上では上司が上手に部下を洗脳し、仕事にやる気を出させているときにも利用されています。ひと言に洗脳といっても、仕事で成功できる洗脳なら、ぜひ受けてみたいものです。