世界に一つだけの名所『紙ヒコーキ博物館』に行ってきた。

忙しいパパでも週末に、子どもと奥さんの好感度をアップできるスポットは無いものか。新米パパママのための特集『育児はいつも、波乱万丈( ̄▽ ̄)』を連載しているライフネット生命と取材班は、前回取材した「食品サンプル体験」に続き、今回は子どもが大好きな「紙ヒコーキ作り」の極意を習いに広島に向かった。そこに紙ヒコーキの世界王者がいるのだ。

新幹線の停車駅である福山駅からローカル線に乗って2駅。そこから10分程度歩いて訪れたのが「紙ヒコーキ博物館」だ。近隣のみならず県外遠方からも親子連れが多数訪れるという、日本で唯一の折り紙ヒコーキの聖地。ここで私たちは、「かっこいいパパ」になるためのヒントを伝授してもらうことにした。

まず館内に入って圧倒されるのは、展示されている200種類を超えるという折り紙ヒコーキの数々。

さまざまな折り方をした紙ヒコーキ群は、1枚の紙を折っただけで出来ているとは思えないほどの変幻自在ぶりで、どれもがカッコいい上によく飛びそうなフォルムばかり





旅客機や戦闘機に模したものから、木の葉や動物をモチーフにしたものまで幅広い。

さらに、宇宙から地球へ紙ヒコーキを帰還させようと実験中の、スペースシャトル型折り紙ヒコーキの展示、そして究極の紙ヒコーキを研究開発するための風洞設備など、まさしく聖地にふさわしい館内の充実ぶりにすっかり童心に返ってしまった。

ここで登場したのが、折り紙ヒコーキ協会・事務局長の藤原宣明さん。今回はこの藤原さんに紙ヒコーキの折り方、飛ばし方の基本を伝授していただいた。この日教えてもらったのは、折り紙ヒコーキでもスタンダードなタイプの「イカヒコーキ」だ。

藤原さんによると、まず折り方で重要なポイントは、意外にも「きっちりでなく、すき間をあけながら折ること」だそうだ。目安として、おそば一本分くらいのすき間をあけながら折るといいという。

慎重に折り進めるライフネット生命の岩田。

さらに大事なことは、「できるだけ紙をさわらずに折る」こと。手に汗や手垢などが付いていた場合、それらを紙が含んでしまうことで、紙がよじれてしまうからだ。

そして、折り目がいくつもあることもよろしくないので、何度も折ることなく、一発勝負で折り上げることがコツであるという。つまり「すき間をもたせてやさしく折りながら、一発勝負で折りあげる!」これこそ紙ヒコーキの折り方の鉄則なのである。

紙ヒコーキが完成したら、「翼の調整」を行う。翼の左右のバランスを整え、翼の後ろの部分を爪を立てるようにして軽くひねることで「昇降舵(しょうこうだ)」をつける。この調整が終わったら、ようやく飛ばせる。

飛ばし方は、ボールを投げるような力強い動きではなく、力を抜いて、棒を後ろから前にまっすぐスッと投げるようにするのがコツだそうだ。

ちなみに今回習った同種の紙ヒコーキの折り方は、ホームページまたは次の本で詳細に解説されている。※本には紙ヒコーキ用紙もセットで付いています。

親子で作る! 紙ヒコーキBOOK

藤原さんのおかげで、紙ヒコーキの「折り方」「翼の調整」「飛ばし方」の基本がわかったところで登場したのは、折り紙ヒコーキ協会会長の戸田拓夫さんだ。紙ヒコーキ滞空時間のギネス世界記録を保持する、紙ヒコーキの第一人者からも、お話をうかがうことができた。

「紙ヒコーキって、じつはとても奥深く、私は古武術に近い、日本発祥の『紙ヒコーキ道』といってもいいほどの“求道性”があると思っています。私は剣道二段なのですが、たとえば滞空時間を競う時に飛ばすときのモーションは、剣道の構えと同じような姿勢から、自分のカラダ全体をバネにして、釣り竿のような全身のしなりでもって飛ばすんですね。それは筋力や体格に頼る動きではありません。

実際に目の前で見せてもらうと、その動きの速さと、まるで猫が飛び上がるようなしなやかさに驚く。古武術を極めると、年を重ねるごとに動きが速くなると聞いたことがあるが、57歳で紙ヒコーキの世界チャンピオンを保持しているのも納得の速さだ。

そしてこちらが、滞空時間29.2秒を記録した(※一般人は3〜5秒程度がせいぜい)ギネス世界記録の紙ヒコーキで、館内に展示されている。

戸田さんは続けて言う。このように『技を使う遊び』であるのが、紙ヒコーキの奥深さであり、スポーツ性にもつながっています。そして作るときには、手先を上手に使うことでの技巧性、よりうまく飛ばすためには科学的な知識や発想も求められます。

さらに、お金をかけずともゆうに30分は遊べる経済性だってある(笑)。海外の子どもとの交流だって、紙ヒコーキひとつ折って遊べば仲よくなれます。これほどクリエイティブで、様々な教育的要素をもった遊びは珍しいでしょう?」と胸を張る。

戸田さんは、精密機器や航空機の部品を製造する株式会社キャステム及びグループ全5社の社長でもある。例えばこのクリップ大の大和は、その鋳造技術で作られた。紙ヒコーキも鋳造も同じ、「モノづくり」への情熱だと戸田さんは言う。

最後に、戸田さんに「子ども達へのメッセージ」を聞いた。

「好きな事をやりなさい」ということですね。私も紙ヒコーキが好きだったから、ここまでやれた。そしてそれが、誰もやっていない事だったら、大きなチャンスがあります。紙ヒコーキは昔からありますが、遊んだ人は多くても、突き詰めた人はいませんでした。

「好きな事ばかりしないで、役立つことをしなさい」と言う人もいるでしょう。その人は、あなたの事を真剣に考えてないんです。好きな事を活かせた方が楽しいし、なにが役立つかなんて、やってみないとわからないですからね。

このように奥深いものでありながら、紙ヒコーキは子どもでも手軽にチャレンジできるのが嬉しい。親子でコミュニケーションをとりつつ一緒に楽しみながら作り、今回習ったことを参考に、上手に飛ばして「かっこいいパパ」の姿を見せてみよう。

取材班の家庭でも今回習った事を教えると、子ども達はすぐに紙ヒコーキ遊びに夢中になった。

もしもわが子がパパよりも上手に紙ヒコーキを飛ばすことができたら? そのときは子どもの成長を喜べばいいのだ。

戸田拓夫 プロフィール

折り紙ヒコーキ協会会長。1995年に日本折り紙ヒコーキ協会を設立した第一人者として、2001年には紙ヒコーキ博物館を開所、2009年に紙ヒコーキ滞空時間のギネス世界記録27.9秒を樹立。その後2010年に29.2秒 自己記録を更新。精密機器や航空機部品を製造するメーカー、株式会社キャステムの代表取締役でもある。著書に『飛べとべ、紙ヒコーキ』(二見書房)、『折り紙ヒコーキ進化論』(日本放送出版協会)、『親子で作る! 紙ヒコーキBOOK』(宝島社)など。

今回のスポット情報

紙ヒコーキ博物館へのアクセス
※JR福山駅より車で約15分
開館日:毎週土曜 10時〜16時
入場料:100円(3歳以上)
電話:084-961-0665
住所:広島県福山市御幸町中津原1396番地

今回のようなスポット取材は、新米パパママのための特集『育児はいつも、波乱万丈( ̄▽ ̄)』というコーナーで連載中です。次回もお楽しみに!

■記事協力:ライフネット生命
http://www.lifenet-seimei.co.jp/

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取材・文章:深田洋介 編集:谷口マサト