Jリーグ浦和レッズ対サガン鳥栖戦で「JAPANESE ONLY」と書いた差別的な横断幕が掲げられた問題について、2014年3月13日放送の報道ステーション(テレビ朝日系)は番組トップで扱った。

その中で、差別問題と直接関係のない客席の旭日旗にも言及し、問題があるかのように放映した。ネットでは「何が問題なのか」「取り上げ方がおかしい」と怒りの声があがっている。

「応援の景気付けに国旗や旭日旗振って何が問題?」

報道ステーションは横断幕問題の経緯を説明するVTRを流し、ネットに投稿された横断幕の写真を映した。ナレーションは「アルファベットで書かれたJAPANSE ONLY、 『日本人以外、お断り』という意味だ。その奥には旭日旗も見える」と、奥に写りこんだ旭日旗の存在に触れた。

続く映像は2月13日に開かれたJリーグ・村井満チェアマンの緊急記者会見の様子だった。記者からの質問に対して村井氏が「旭日旗に受ける印象はさまざまだろうと思います。私はこの場で何かコメントする立場にはないと思っています」と答えるシーンで、こちらにも旭日旗に関する要素が盛り込まれている。

今回はサポーターの掲げた横断幕の内容が問題となったが、むろん旭日旗を使った応援に対する処分は下されていない。3月23日の清水戦(埼玉スタジアム)を無観客試合とする処分は、「スタジアム内において不適切な内容が書かれた横断幕が掲出されたにもかかわらず、試合終了後まで当該横断幕を撤去できなかった」のが理由と、Jリーグは発表している。

旭日旗にあえて触れて報じる番組編集に違和感を覚えたのか、

「ねぇ報ステさん、 旭日旗がなんだって?差別って言いたいの?」
「民族差別は良くないことだが、応援の景気付けに国旗や旭日旗振って何が問題?」
旭日旗と差別幕はまったく違うものだろ! 報道ステーション、いい加減にしろ!!」

などと反発する意見がツイッターで出たほか、

旭日旗は浦和ゴール裏には以前から有りますんで」
「浦和だけでなく他チームサポも用いてる」

という指摘も出ている。

旭日旗は政治的主張ではない

旭日旗をめぐってはここ数年、韓国メディアが「日本軍国主義の象徴」としてたびたび騒ぎ、2013年9月には韓国内で旭日旗の使用することを禁止する「旭日旗禁止法案」も提出された。旭日旗を掲げた者に1年以下の懲役刑や300万ウォン(約27万5000円)以下の罰金を科す改正案だ。2014年3月12日にもサッカー日本代表のユニフォームに施されたデザインは「旭日旗」であると報じられ、「競技場での政治的意思表現を禁止する」というFIFAの規定に反していると主張した。

だが、旭日旗に政治性がないことは以前から日本政府が確認している。菅義偉官房長官は2013年9月26日の記者会見で、「大きな誤解があるのではないかと思っています」と発言し、

旭日旗のデザインは、大漁旗や出産・節句の祝い旗、海上自衛隊の艦船の旗など日本国内では広く使用されており、政治的主張だとか軍国主義の象徴であるという指摘は全く当たらない」

と断言した。

こうした判断が下されているにもかかわらず、報道ステーションはことさら旭日旗を取り上げ、問題があるかのごとく放送したわけだ。