日本政府は11日、マレーシア政府の意向を受け、消息を絶っているクアラルンプール発北京行きマレーシア航空機の捜索のため、自衛隊機を派遣する方針を決めた。同ニュースが中国で報じられると、インターネットの書き込みに日本やマレーシアを非難する書き込みが相次いだ。

 自衛隊は、乗客・乗員の捜索のため捜索活動航空自衛隊のC130輸送機を派遣する。海上自衛隊のP3C哨戒機も投入する場合もありうる。小野寺五典防衛相によると、マレーシア政府から、航空機による捜索について「1機でも多く参加してほしい」との話を受けた。正式な要請を受けた上で、速やかに(自衛隊機を)派遣する考えだ。

 中国の主要メディアが同情報を報じた。中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」で同記事が紹介されると、日本やマレーシアなどを非難したり疑念を示す書き込みが相次いだ。

■ 日本に対する不信感、警戒心が続出

 日本に対するものとしては、「小日本の奇襲を防げ」、「単なる救援じゃないな」、「日本が来て、ぐちゃぐちゃにする」、「日本は遅すぎるよ。4日してからやっと穴ぐらから這い出てきた。無理やりだな」などの意見がみられる。

 「中国は、(2011年3月11日の東日本大震災時の)日本の津波の時に救援隊を派遣したら、日本人はさまざまな書き込みで、(中国の)陰謀だとして非難した。まったくもって今は、この言葉をすべて日本に返してやる」との書き込みがある。

■ 「東南アジアは中国の敵」の見方

 「マレーシアは恥知らずだ」との主張もある。中国がすでに軍艦を現場海域に派遣しているにもかかわらず日本に協力を求めたことを重視し、マレーシアは「真意を隠していた。回りくどい手段をとっているが、明らかに中国を信用していないのだ」との見方を示した。

 その他にも「小フィリピン、ベトナム、日本、マレーシアはすべて、われらの敵だぞ」との書き込みも見られる。

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◆解説◆
 中国で“愛国的”な意見を表明する人の特徴として、国の「序列」を強く意識していることがある。欧米などの先進国が優れていることは認めるが「自国の頭を抑える憎い存在」と認識する場合が多い。

 日本も先進国として認めてはいるが、ことさらに貶(おとし)める表現が目立つ。「中国を侵略した国だ」、「歴史的には中国の方が上だった」などの複雑な感情が働くと考えられる。上記ページでも「米国が助けなきゃ、日本は屁でもない」との書き込みがある。

 ただし、日本に対しての一方的な「罵倒(ばとう)」に対しては批判的な人もいる。上記記事についても、「コメントを見て分かったが、中国国内の仇日教育は本当に成功しているなあ」との皮肉が寄せられた。

 先進国以外の国については、「見下す」姿勢が目立つ。上記ページでも「小フィリピン」との表現がある。中国政府は一貫して、「国と国はいかなる場合でも対等」としてきたが、中国人自身の姿勢も原因となり、アジア・アフリカ各地において対中感情が悪化している場合がある。

 “愛国的”な意見を表明する人は、自国である中国を「天朝」と表現する場合が多い。伝統的な中華思想の延長であり、自国を「神聖視」する感覚だ。戦前の日本が自らを「神国」としたことを連想させる感覚と言ってよい。

 中国人の“愛国者”が自国の歴史を誇る場合も珍しくないが、事実の裏付けがあるだけに、「過激」な主張はむしろ少ない。中国人にかぎらず、願望だけが独り歩きした場合に極端な表現になりやすいと考えられる。(編集担当:如月隼人)