抜群の「乗り替わり実績」を“武豊推し”の理由にあげるのは、個人馬主だ。

「通常、誰でも乗り替わり時の好走率は下がり、平均的なジョッキーだと、勝率が3割ほどダウンするものです。しかし、超一流どころは下げ幅が低く、依頼側から見れば『勝負強い』『頼れる』という気持ちになります。過去に1度だけ乗っていたとはいえ、トーセンラーのマイルCSはみごとでしたね」

 昨年の成績で見ると、リーディング1位の福永祐一(37)が勝率で18%減、2位の川田将雅(28)と3位の浜中俊(25)は、26%と27%減で、ともに平凡な成績だった。個人馬主が続ける。

「でも、豊君や岩田康誠君(39)になると、勝率を1桁のダウンにとどめているんです。豊君なんて、勝率1%減、連対率9%減、複勝率6%減でした。数字こそありませんが、短期免許で来日し、好結果を残す外国人ジョッキーだと、継続騎乗よりも初騎乗の数値がプラスなんてこともありそうです」

 確かに昨年も外国人騎手がテン乗り(初騎乗)で暴れまくった。GIだけを振り返ってもC・デムーロ(21)の桜花賞(アユサン)やR・ムーア(30)のJC(ジェンティルドンナ)。JCダート(ベルシャザール)のルメールにしても、前走の武蔵野Sが3年ぶり(2歳時に芝レースで1度騎乗)で初ダート。そこからの連勝だった。どれも鮮烈な勝ちっぷりだけにファンの脳裏にもしっかりと焼き付き、今回のアンケート結果に反映されたのかもしれない。

 ただ、勝負強い代打屋なら日本人騎手の中にも育ってきている。ランキングは22位ながら北村友一(27)の乗り替わり時の勝率と連対率は特筆モノで、継続騎乗時の数値よりも高く、複勝率にしても7%減だった。

 そんな北村友の今年の活躍を期待しているのが、ラジオ日本「競馬実況中継」(土曜の午後の部)の解説者で、競馬ライターの水上学氏だ。

「私は、理詰めで穴を的中させる頻度という意味で、最も有効的な軸馬のオッズは単勝10〜20倍と考えていますが、このオッズ幅において、(北村友は)13年にダントツの最多勝(18勝)でした。この条件下での騎乗数100回以上の騎手のうち、勝率1位、連対率2位、複勝率3位。単勝回収率は174%で1位。芝とダートの差がほとんどないのもいい。13年は裁決委員とのトラブルで騎乗停止を食らったが、萎縮せずにファイトあふれる騎乗を期待しています」

 しっかりと覚えておきたい騎手の一人だ。