2013年10月のこと。国連機関・UNウィメンが発表した広告動画が話題となりました。動画の内容は、Google検索に「女は〜すべきでない(Women shoudn’t〜)」といった文章を打ち込むと、予測検索機能によって自動的に女性を見下すような文章があらわれる、というもの。

24万回再生を越え、賛否両論の大きな反響が

動画は240,000回以上の再生を記録、同広告についてのfacebook記事にも2,400以上のいいね! がつくなど、大きな議論を呼び起こしています。

反響の中には国連機関の活動を応援するような声もありましたが、対して批判意見には、
・そもそも、たかが予測検索の結果なんかを証拠に物事を訴えることが不適切だ
・「男は〜」でも検索してみるべきだ、男なら泣くなとか色々出てくるから
といったものもみられました。

12か国語での検証も行われる

この件をもっと深く検証してみようという流れも生まれ、特に国際的ブログネットワーク「グローバルボイス」では実に12言語での検証が行われました。

以下、Tetyana Bohdanova氏執筆/Yuko Aoyagi氏翻訳による検証記事から、一部を引用してご紹介します。

■フランス語
女は家にいるべき
女は働くべき
女はスカートをはくべき
女は従順であるべき
女は投票すべき

■アラビア語
女は結婚しないと生活できない
女は男なしには生きられない
女は秘密を守れない
女には男の沈黙が理解できない

■ロシア語
女を信じるべきではない
女は重いものを持つべきではない
女は飲酒すべきではない
女を信用すべきではない

必ずしもすべてがネガティブな結果ばかりだったわけではありませんが、各国の事情が反映された興味深い結果となっています。

日本での予測検索結果は?

では、日本の場合はどうでしょうか。今回は、先述の記事では実施されなかった、日本の検索エンジンにおける予測検索結果を検証してみました。青くハイライトされているのは、筆者個人がネガティブと判断したものです。なおこちらの検証は、筆者の検索履歴が影響しないよう、個人アカウントからログアウトし閲覧履歴を削除した状態で検索しています。

【Google日本】

[男] 髪型/厄年/心理/名前/生理/眉毛/ファッション/プレゼント
[女] 男/たばこ/厄年/心理/めんどくさい/怖い/ひげ/名前

 

【Yahoo!Japan】

[男] 厄年/髪型/名前/着物/ピアス/趣味/恋愛/前髪/
[女] 厄年/髪型/名前/無料 動画 FC2/漢字/腹筋/浮気/一人旅

Bing

[男] 髪型/厄年/男子ゴルフ/名前/ファッション/男子ごはん/一人旅
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なお、予測検索は2014年1月16日時点のものであり、ユーザーの検索に基づいていますので、こちらの結果が各社の姿勢を表しているという断定はできません。

それにしても、比較的平和な予測検索結果が並んでいる「男」に対し、「女」に対しては「めんどくさい」「怖い」といったようなネガティブな語彙や、「裸」「濡れ場」といったようなエロい目で見る語彙が並んでいるということは事実のようです。

(文=牧村朝子)

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