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12月9日に公開された、モンキー・パンチ原作の『ルパン三世』と青山剛昌原作の『名探偵コナン』のクロスオーバ作品で、初のアニメーション映画となった『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』。双方のファンから熱い支持を受け、公開から9日間で興行収入14億円、動員数120万人突破と大盛況で、俳優の内野聖陽、女優の夏菜、そして「キング・カズ」ことサッカー界から三浦知良選手など豪華なゲスト声優も話題となっている。

本作は、2009年3月に日本テレビ系で放送された『金曜特別ロードショー ルパン三世 vs 名探偵コナン』の続編として制作され、『ルパン三世』としては、2011年に石川五ェ門・峰不二子・銭形警部の声優陣が一新されてから初となる新作映画。旧キャストからは二代目ルパン役の栗田貫一と、次元大介役の小林清志が続投している。今回は、ルパン役の栗田に二度目のコラボレーションとなった「ルパンvsコナン」について話を聞いた。

――本作は、4年前にテレビで放送された『ルパン三世VS名探偵コナン』の続編となりますが、収録に臨むにあたり、どのような気持ちで臨まれましたか?

4年前は、『名探偵コナン』を見ることなく相対したんだけど、それが新鮮だったと思うんです。この4年間の間に、江戸川コナンを演じる高山みなみさんと交流もあって『名探偵コナン』と親密な感じになり、改めて作品を見るようになって作品を把握したんです。『名探偵コナン』という作品、コナン君というキャラクターを把握した上で、こうしてみようとか意欲が湧いてきて。実際に収録してみて、ルパンとしての立ち位置や振る舞いは、現実の俺と高山さんのバランスにもマッチしていたと思います。

――では改めて「江戸川コナン」というキャラクターについてはどうでしょう。4年前にはじめて彼を知ったようですが、どんなイメージをお持ちですか?

コナン君というのは、スマートというか頭のいい子なんだなと。頭が高校生といったって、あんなに頭のいい高校生はそんなにいないですよね(笑)。たぶん、俺が小学校2、3年だったら真剣に憧れて見るでしょうね。

――『ルパン三世』は2011年のテレビ版から一部のキャストの方が変更されましたが、今年で3年目です。

新キャストといっても、もう交代してから3年経つし、なんども共演していますからね。 それに全員経験も豊富な声優ですから、なんの戸惑いもなくできています。良い関係を築けていますよ。

――本作では、三浦知良さん、内野聖陽さん、夏菜さんと豪華なゲスト声優陣も話題となっていますね。

そうですね、三浦知良さん演じる「キング」という殺し屋と絡むシーンがありますけど、別録りで三浦知良さんが、俺が演じるルパンを聞いてからの収録だったんです。俺も三浦知良さんという男を、ちょっと陶酔しながら臨んだけど、完成した映像を見たら「すげ ぇ噛み合っているじゃん! すげぇ!」って(笑)。満点なんてもんじゃない出来でした。それにアラン・スミシー役の内野聖陽さん、彼とも収録は一緒ではなかったから全然知らなかったんですけど、最後まで内野さんだって気が付かないくらいの演技で、アラン・スミシーそのものって感じでしたよ。

――栗田さんご自身の収録はいかがでしたか?

最近、やっとですね。少しルパンに慣れたかなって。入れるときにルパンになることができるようになったかな。やっとですよ。

――ルパンと言えば栗田さんというイメージが定着しているので、意外です。第1弾のエピソードを引き継いでいる本作ですが、前作に比べてよりなじんだという感触はありますか?

それがですね、僕は1つ演じきると細かいことは忘れちゃっているんですよね。だからいっぱいいっぱいだったのかもしれない(笑)。(本作を)後から見返すと、なんだ下手くそだなってところ、もっとこうすればよかったなってところが結構あったんです。

――完成した映像をご覧になって、印象深いシーンなどはありますか?

どこかなー、いっぱいありますからねぇ。今回の作品は、とにかく2つのチームが、騎馬 戦をやっている印象なんですけど、最後は2つのチームがタッグを組んで1つのでかい騎馬を作って、それぞれが自分たちの役目を果たしていく。そして、ルパンとコナンが帽子を交換して「じゃあな」っていって別れていく。シーンというよりは、映画全体のイメージがとても強い作品かもしれないですね。

――本作の収録にあたり、前作をご覧になりましたか?

いやー、これが、観てないんです(笑)。ただ、潜水艦のシーンでコナンに「不二子となんかあったのか?」みたいないくつかのシーンははっきり覚えているから、『ルパン三世VS名探偵コナン』におけるルパンもつかめていると思いますよ。

――『ルパン三世』、『名探偵コナン』と互いに魅力的なキャラクターが多いですが、中でも栗田さんがお好きなキャラクターは?

高木ですね、高木! 面白いですよね。彼は『コナン』ならではの色をもっている。コナンに絶対に必要なテイストをもっていると思うんですよね。後は、このエミリオ・バレッティ。これがさ、若い頃のアイドルだった時代の沢口靖子さんに似ているんですよね。

――先ほど互いのチーム「騎馬戦」と表現されていましたが、本作では『名探偵コナン』と『ルパン三世』どちらのカラーがより強くでていると思いますか?

ルパンもコナンも全部わかった上で遊んでいるんですよね。駆け引きして散らかしているとも言えるけど、どちらかのカラーが出ているっていう感じはないかもしれない。この手のクロスオーバー的な作品は、どちらかに引っ張られやすい傾向はあるけれど、この作品については、よくバランスがとれていると思います。

――作品のラストには、気になる一言もありましたが、実現の可能性は?

あれは、何なんだろうね(笑)。冗談だとは思うけど、どうなんだろ……あるかもしれない。まぁ、どちらにしてもお互いに負けないからね(笑)。

――次回も期待しています(笑)。

『名探偵コナン』はコナンチームで17年間続けてきて、『ルパン三世』もルパンチームとして25年間以上続けている作品なので、長い作品の歴史の中で「また何年後に会おうぜ」みたいな感じになっている。それがいいんですよね。だからお互いにまたそういう機会があるかもしれない。俺も期待しています。

(トランジスタ)