はじめに

 2013年のストーブリーグは,ポスティングにFA移籍に外国人選手の契約と例年にない盛り上がりを見せていますが,口火を切ったのは中日の落合氏の復帰と厳冬更改でした。

 落合氏の著書「采配」を読んだのですが,2011年の解任の時点で,今後中日との付き合いはプロとして受け付ける的なことが書いてありましたので,復帰したこと納得なのですが,この復帰が示すのは2012年からの路線変更の失敗を意味するのではないかと思います。

 さて,当ブログでは2011年の落合氏の解任以来,中日ドラゴンズの観客動員数を毎年オフに分析してきました。というわけで今年も分析していきます。2012年以降の中日が目指したものが観客動員数にどのように表れたかを確認してもらえればと思います。


分析データ

 分析に使用したデータは,2005年から2013年までのナゴヤドームで開催されたNPBレギュラーシーズンの全613試合です。中日主催の準本拠地での試合はサンプルが少ないので分析からは除いています。データは平均観客動員数と観客席にしめる割合で示しています。ナゴヤドームの定員は38414人で計算しています。


観客動員数の比較

 まずは大雑把に,各シーズンの平均観客動員数を比較します。データは平日開催の試合と休日開催の試合で分けています。データを以下の表1に示します。

表1

 このデータをグラフ化したものを以下の図1に示します。

図1

 (平均)のデータは左の平均観客動員数の軸で見てください。(%)のデータは,右の割合の軸で見てください。平日・休日ともに2013年の観客動員数は2005年以降過去最低だったことがわかります。


月別観客動員数の比較

 もう少し詳しくデータを見ていきます。次は月別の平均観客動員数のデータです。以下の表2にデータを示します。

表2

 このデータをグラフ化したものを以下の図2-1(平日)と図2-2(休日)に示します。

図2-1

図2-2

 2013年のデータを見ると,平日は2005年以降の最低水準をキープ,休日は8月までは順調でしたが,9・10月に大きく減っていることが確認できます。2013年の観客動員数の減少の原因はこのあたりにありそうです。


対戦相手別の観客動員数

 NPBにおける観客動員数は,自チームの努力だけで決まるものではありません。対戦相手によって観客動員数が変わってくるのが現実です。対戦カードの日程は球団側からは指定することができませんが,多くの集客の見込める休日に人気のカードが多く組まれることで月の観客動員数は変わってきます。

 2013年の9・10月の観客動員数の減少は,こうした対戦カードが原因だった可能性が考えられます。これを検証するために,まずは対戦相手別の観客動員数を以下の表3に示します。

表3

 このデータをグラフ化したものを以下の図3-1(平日)と図3-2(休日)に示します。

図3-1

図3-2


 図3-2の休日の巨人戦以外は,2000年代後半以降低下傾向にあることがわかります。この休日の巨人戦が月にどれくらい組まれるかは月の観客動員数を左右する要因となります。

 それでは,月別の対戦カードはどうなっているかということで,少々大きいデータですが,2005年以降のカードをまとめたものを以下の表4に示します。

表4

 少々見にくいので2013年のデータを抜粋したものを以下の表5-1に示します。

表5-1

 このカード別の平均観客動員数のデータを以下の表5-2と表5-3に示します。

表5-2

表5-3


 これらのデータを見るに,確かに2013年は8月以降に休日の巨人戦が組まれず,工業的にはマイナスだったと思います。しかし,9・10月のカードは全体的に観客が減っていることが確認できると思います。巨人に次いで集客が見込める阪神戦も,8月は休日に90%だったのが,9・10月は60%を割っています。

 結局のところ,対戦カードに恵まれなかったマイナスもありますが,優勝戦線からの脱落と,CS争いからの後退が全体的な観客減につながったのではないかと思います。

 こんなことはデータを見なくてもわかることなのですが,

 やっぱり勝たないとお客さんは集まらないよ……。

 というのが,今回のデータの示すところではないかと思います。




おわりに

 既に賽は投げられ,2011年オフの方針転換から2013年オフは再度大きく舵をきりましたので,今更どうこういうことはありませんが,この2年間の経験を2014年以降活かすことができればと思います。今回のデータもここから再スタートの意味を込めて,来年以降の観客動員数を見ていく上での指針となればと思います。

 その他,こんな観点からデータを見たらどうなるだろうというアイデアがありましたらご指摘ください。可能な限り対応します。


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分析データ

・日本野球機構オフィシャルサイト