好調の最新iPad Airでもまだ不十分?最高のタブレットの条件とは

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アップルから最新の9.7インチタブレットiPad Airが発表され、auやソフトバンクモバイルからの販売も開始されました。これで2013年の高性能な10インチクラスのタブレットも出揃ってきました。

現在のタブレット市場は、人気を集める7インチクラスと10インチクラスに大別されるといってもよいでしょう。

最初に市場として立ち上がったのは10インチクラスの市場で、アップル製の初代iPad登場で産声を上げ、iPadシリーズが牽引しながらAndroidタブレットの参入や7インチタブレットの登場により、大きく成長してきました。

タブレット登場以前はWindowsを搭載するネットブックが、インターネット中心のライト利用として人気を獲得していましたが、10インチクラスのタブレットは、タッチ操作で扱いやすいインターネット機能と高解像度ディスプレイによるパソコンに劣らない見やすさ、パソコンよりも持ち運びしやすい軽さ、電池の持ちの良さなど、多くのメリットを実現することでネットブックに置き換わってきたといってもよいでしょう。

最新機種のiPad Airは、これまでのタブレットを上回る「軽さ」を実現し、最強のタブレットと評する意見もあります。こうした評価を裏付けるように、iPad Airの発売3日後の導入率は第4世代iPadの約5倍を記録したという情報も報告されています。

iPad Airは最高のタブレットなのでしょうか
たしかにiPad Airは、本体の大きさもスリムになり、重さも469gと軽くなりましたが、常時手に持って使うにはまだまだ重いことには変わりありません。

300gを下回り始めた7インチクラスに比べれば、iPad Airですら長時間手で持って使うには無理があります。例えば、2時間の映画を10インチクラスのタブレットを手に持って見続けられる人はそう多くはないでしょう。

スタンドを使えば良いという意見は当然あるでしょうが、別途スタンドを用意する必要があるというのであれば、現在の10インチクラスタブレットの標準の製品仕様が利用舎のニーズをまだ満たせていないともいえます。

そこで、これからの10インチクラスのタブレットが必要な仕様を見直してみましょう


■10インチクラスのタブレットに求められもの
10インチクラスのタブレットでポイントとなるのが、これまでネットブックなどで実現されていたパソコンの汎用性と、タブレットの長所としてきたスマートフォン(スマホ)的な手軽さです。

○パソコンクラスの高解像度
これはすでにフルHDやそれ以上の解像度に多くのタブレットが対応しています

○大容量ストレージ
これまでのタブレットでも64GBなどのストレージが搭載されてきました。タブレットとしては十分でもパソコンとしては物足りないサイズになります。特に、動画や音楽、写真、大きなデータサイズの仕事でのOffice書類などを大量に保持するにはまだ容量が十分とはいえません。

クラウドを利用すればタブレット本体に大容量のストレージは不要という人もいますが、データを分散保管する安全性を考慮すれば、タブレット本体での保存スペースは確保したいところです。もちろん、後述する拡張性が実現されれば外付けドライブで解決するという方法もあります。

本体容量は最新のiPad Airでは高価格ながら最大128GBモデルが用意されるなど、改善されてきてはいます。

○外部機器の拡張性
タブレットは軽量で多彩な機能が魅力ですが、それも外部USB機器やBluetooth機器などの周辺機器を活用することでさらに便利になります。

最近ではWi-FiやNFC接続で写真を共有できるカメラや、Bluetooth接続のスピーカーやイヤホンなども増えていますが、メモリカードやUSBメモリ、外付けHDD、光学ドライブ、マウス、キーボードといった周辺機器を使い回せるほうが便利なことはいうまでもありません。

USBに対応した周辺機器は多くの便利な製品がすでにあり、こうした資産をいかせるともっとタブレットの利便性は向上するでしょう。

○自立できるスタンド
サプライ製品でスタンドにもなるカバーやケースもサードパーティから提供されていますが、そもそも、本体が自立できればハンズフリーで長時間の利用も可能となります。
7インチ以下の製品ではさほど必要とは思われませんが、10インチクラスであれば、本体だけで自立できるほうが利用シーンを増やせることでしょう。

○入力を助けるマウスやキーボード
タブレットの魅力は画面をタッチして操作できることです。しかし、タッチ操作がすべての操作より優れているわけでも、便利な訳でもありません。

例えば、ブラウザや画像編集アプリで画面の一部を選択したいとき、指タッチでは範囲やポイントを誤ってタッチして正確の目的の箇所をタッチでなかったりします。こうしたケースではマウス操作のほうが正確で素早く実行でき、利便性が高いといえます。

また、長い文章を打ちたいときは、ソフトキーボードよりハードウエアのUSBやBluetoothキーボードのほうが快適で素早く入力できたりします。

タブレットにパソコン用のキーボードを湯煎・無線接続して利用はできますが、本体のサイズや機能に対応した製品のほうが使い勝手は良くなります。

○テレビやモニタへの画面出力
タブレットが大画面といっても、たかだか10インチ前後です。家庭や職場であれば20から40インチ以上のディスプレイがあふれています。タブレットに出力機能があれば、遙かに大きな画面で楽しむことができます。

■パソコンも呑み込んでいくタブレット
10インチクラスのタブレットは、3万円以下の低価格な製品と、パソコンに劣らない高機能・多機能を実現する高性能な製品にわかれつつあります。

低価格なタブレットは、手軽さで大きなスマホ的な位置づけとなり、高性能なタブレットはスマホと小型のパソコンの良いところを吸収した製品となっていきそうです。

先がみえてきた7インチタブレットとは異なり、10インチクラスのタブレットは、スマホとパソコンの良いとこ取りを実現していくことでしょう。その意味では、これからが最高のタブレットが誕生するスタートラインなのかもしれません。


iPad Air、発売から3日間の導入率が第4世代iPadの約5倍に - 米Fiksu調査