空前の大ヒットとなったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が2013年9月28日、ついに最終回を迎えた。感動さめやらぬ中、ある珍事が起きた。

番組終了直後にNHKが中継した、舞台となった岩手・久慈市「『あまちゃん』最終回を見る会」の会場スクリーンに映し出されたのは、先ほどまで見ていたはずのNHK総合ではなく、なぜか民放番組の画面いっぱいのラッシャー板前さん(50)だった。ネット上では早速、「余韻が打ち消された」「本当にあまちゃんを見ていたのか?」とちょっとした騒動に発展した。

画面いっぱいの「ラッシャー板前」

あまちゃん」終了後、朝8時15分からの「週刊 ニュース深読み」は、岩手・久慈市の「『あまちゃん』最終回をみる会」会場からの中継で始まった。そのとき会場スクリーンに映し出されていたのは、「あまちゃん」の裏番組「朝だ!生です旅サラダ」(朝日放送・テレビ朝日系)のリポーター、ラッシャー板前さんのアップだった。

同時間の「旅サラダ」を確認すると、同じ構図でラッシャーさんが出演し、山形・鮭川村の食用ほおずきを紹介している。どうやら岩手朝日テレビで放送されている「旅サラダ」の映像に間違いなさそうだ。「あまちゃん」終了直後には拍手が巻き起こるほどだったというが、次週30日から放送の「ごちそうさん」告知が流れた数十秒の間にチャンネルが変えられたのか。

ラッシャーさん映像には触れず、番組は進行する。観客に最終回の感想を聞き、一躍有名になった「高校生海女クラブ」のメンバーを紹介。8時18分に久慈市観光物産協会の職員に話を聞くころには、スクリーンの映像はNHK総合に切り替わっていた。

「ボリューム」と「チャンネル」の操作ミス

ラッシャーさんの突然の登場にネット上では、

「泣いてたのに、なんでパブリックビューイングで旅サラダ?」
あまちゃんの感動のあとに映り込む旅サラダのラッシャー板前」
「それにしても旅サラダのラッシャーさんに余韻打ち消されるとは思わなかった」

と驚きの声が見られ、また「旅サラダ」が流れた理由を推測する人も続出した。

「スクリーンがNHKの画面映したままNHKのカメラで画面を撮ると…?」
「写し鏡みたいになって取り返しのないことになる」

などの指摘もあるが、ならば同じくNHKの「Eテレ」を映せばいいのではないか、また8時18分にはNHK総合を映していたことと矛盾してしまうのではとの声もあった。

土曜は連続テレビ小説が終わると「旅サラダ」を見る習慣がついているのではとの向きもある。

「地元の人の視聴習慣なのでしょうw」
「どう考えてもみんなであつまって『旅サラダ』を見てたとしか思えない」
「朝ドラから旅サラダ(ラッシャー板前)にチャンネルうつってるひとが多いことを改めて確信した」

なぜこんな珍事が起きたのか。会場となった「道の駅くじ やませ土風館」の「風の館」を運営する久慈市観光物産協会に話を聞くと、単純に「スタッフの操作ミス」だという。ハウリング防止のためボリューム操作をしようとしたところ、誤ってチャンネル選択のボタンを押してしまったのだそうだ。しかし最終回直後の余韻もあり、会場ではチャンネルが変わった事に気づかない観客も多かったという。どうやら視聴者の「深読み」は考えすぎだったようだ。