サービス料、席料、深夜料金、週末料金…最近はこうした「特別料金」が加算される居酒屋が増えており、客とのトラブルに発展することもある

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昔から飲み屋のトラブルで後を絶たないのが「ぼったくり」だ。「○○円ぽっきり!」という客引きの威勢のいい言葉に誘われて入店したものの、お会計の際にはその何倍もの額を請求され、断ろうものなら店の奥からコワ〜いお兄さんが……。

現在、このような悪質店は、取締りにより徐々に姿を消しつつある。一方で増えているのが、「あれ、予想していた額よりちょっと多くない?」くらいのきわどい商法をする“プチぼったくり店”だ。

今回、取材班が潜入した店の客引きの言葉がコレ。

「お兄さん、夜景がキレイで雰囲気がいい個室居酒屋どうッスか? お通しとおつまみをひとり2品ずつ頼べば、通常2580円の飲み放題が2時間980円。生ビールをつけた飲み放題でも1280円。おつまみは290円からあるので、安心してください!」

こう聞くと、「おつまみ290円×2=580円。1280円の飲み放題にお通し代を入れても、ひとり2000円ちょっと?」と安易に計算してしまいがち。だが、実際の会計はふたりで6419円となった。支払いはひとり当たり3200円……。なぜ、こうした値段になるのか?

入店してメニューを見ると、290円の料理はお新香一品だけ。客引きの言葉にウソはないが、さすがにふたりでお新香×4を頼む勇気はないだろう。他のメニューを頼もうとすると、「完熟有機野菜の…」や「北海道産の…」という副題がついたオシャレな料理が並び、価格もちょっと強気な数字のオンパレード。味は……あくまで取材班の意見だが、イマイチ。ちなみに、お通しは420円だ。

そしてサービス料が、トータル額の10%。メニューに小さな文字で「サービス料10%いただきます」と書いてある。そして、これらを合計すると、「あれ、予想していた額よりちょっと多くない?」となってしまうワケだ。

このサービス料、バーなどでは一般的だが、普通の居酒屋だと無い店も多い。しかもサービス料だけでなく、週末特別料金や深夜料金、さらには席料といった特別料金を設定している店もある。もちろんこれらは、その店独自のルールなので何の問題もない。今回、取材班が行った店は「オシャレな個室居酒屋(※実際はそれほどでもない)」ならではの価格設定・サービス料ともいえるが、客引きがこうした説明をしていなかったり、入店しないとシステムがわからなかったりするため、会計でトラブルになるケースが増えているのだ。

ちなみに、東京都新宿区では9月から「客引き防止条例」が施行された。とはいえ繁華街の居酒屋は玉石混交。気持ちよく飲むためにも、料金システムはしっかり理解した上で入店したい。

週刊プレイボーイ40号「繁華街で横行!!“プチぼったくり居酒屋”にダマされるな!!」より