堺雅人主演のTBS系ドラマ『半沢直樹』が、22日に最終回を迎えた。続編への期待が高まる中、番組ホームページの撮影日報により大和田暁常務(香川照之)と半沢直樹(堺雅人)の"土下座"秘話が明らかになった。

22日に放送された最終回で、半沢は取締役会で迂回融資問題を白日の下にさらし、当事者である大和田常務に土下座をさせ、見事に「100倍返し」をやってのけた。第7話では、伊勢島ホテル再建のための猶予を求めた半沢に対し、大和田常務は「土下座でもしてみるか」と提案。半沢はそれに従うなど、両者の間で"土下座"は重要な演出シーンとなった。

番組が放送される約1カ月前の6月7日からスタートした撮影日報では、これまでさまざまな撮影秘話がつづられてきた。第109回目の日報タイトルは「半沢直樹 大和田に土下座をさせる」。大和田常務の土下座のシーンは、第6話が撮影がスタートした8月ごろに行われた。担当スタッフはその香川の怪演ぶりを、「失礼な書き方をあえてしますが、その見事なまでに醜悪な土下座、ここまでなさる香川照之さんに周りは言葉が出ませんでした」と伝えている。

土下座をしないことも考えた香川だったが、何度も台本を読みなおすうちに「やはり必要」という結論に達したという。「でも大和田は本当に土下座をしたくなかったから、どれくらい使ってもらえるかわかりませんが、ものすごく反発して土下座をするまで時間をかけてしまいました」と香川が語ったとおり、膝をつくまでに5分以上を要した。担当スタッフの「放送ではどうしても放送時間の関係で編集せざるを得ないのですが、その言葉のないせめぎあいは本当にものすごいものがありました」という言葉からも、その迫力が伝わる。

この後、第7話の半沢の土下座シーンが撮影された。担当スタッフは、「このシーンを見たあとだからこそ、堺さんは『これに恥じない土下座をしよう』と思われたんだそうです」と明かし、「人が頭を下げるということ、形だけは簡単なことかも知れません。でも、膝を折り、手をついてすべてを地につける、そこにはその人の全人生があるんです。あの日、父のした土下座。やっとやり返したけれどそこに『勝った』という気持ちはあったのか」と問いかけた。

また、「最終回の撮影の様子などもう少しご紹介していく予定です」とし、視聴者に向けて「メッセージを書き込むついでにちょっと覗きに来ていただけると嬉しいです」とメッセージを送っている。